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古文の読解 (ちくま学芸文庫)
 
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古文の読解 (ちくま学芸文庫) [文庫]

小西 甚一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

長年定番であった、あの参考書を復刊。この一冊であなたも古典通!住居・服飾などを通じ作品の背景を知り、様々な古典作品から「もののあはれ」に代表される人々の感性を学びながら、当時の時代背景が詳細に理解できます。受験を離れた大人が、古典をゆっくり味わうための最適なガイドにもなる一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

小西 甚一
1915‐2007。三重県生まれ。東京文理大国文科卒。筑波大学名誉教授。文学博士。専門は比較文学。1951年『文鏡秘府論考』により日本学士院賞受賞。海外の複数の大学から客員教授として招かれる。また英語・フランス語・中国語等を習得し、外国の新しい研究法を国文学に活かす手法でも知られた。能・狂言・俳句にも造詣が深く、それらの研究書も多数ある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 536ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2010/2/9)
  • ISBN-10: 4480092730
  • ISBN-13: 978-4480092731
  • 発売日: 2010/2/9
  • 商品の寸法: 15.7 x 10.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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58 人中、57人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 開運
形式:文庫
 レビューを書いている多くの方々と同様、私も高校生のときに原本を購入しました。
語りかけるような説明、若い人に期待する熱意など、強烈な印象を受け、いまも大事にしています。
今回、ちくま学芸文庫から復刊されたことを非常に喜んでいます。

小西甚一氏が、偉大な学者であることを知ったのは、だいぶ後になってからでした。

ドナルド・キーン氏が「日本文学史」を著しているとき、小西先生が、日本人には、細かい専門分野に特化した学者はいるが、通史を書ける人がいないのか、と嘆き、自らが「日本文藝史」を著したという話は、特に感動的です。
(日本文学史:講談社学術文庫(小西甚一著)のあとがき 及び 同書のドナルト・キーン氏の解説 に この模様が書いてあります。とても興味深いものです)

「太っ腹文法、用心文法」などの くだけた章立てからなり、まるで先生に直接教えてもらっているようでした。 
また、「一を聴いて十を知る」とはこの本のことか、と思いました。
今、原本を見返して見ると、初版は昭和37年で、当時、著者は、昭和15年に東京文理大学(東京教育大学)を卒業し、昭和26年に学士院賞を受賞した少壮の学者だったのですね。
小西先生が、受験参考書に これほどの情熱を示してくれたことに感謝しています。 

 この文庫本では、「はしがき」が初版のものではないのが残念です。
以下に引用しますので、是非、読んでください。 時代を感じますが、著者の情熱 が感じられます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
はしがき(初版)

 「どうも古文は不得手で」 とか 「古文は好きになれない」 というお方が少なくないだろう。
この本は、 そんな人たちのために書かれたものである。
「古文ぐらい、何でもありません」 という秀才とか 「将来は国文学者を志望します」 などという変わり者とかは、
この本を必要としないだろう。

 なぜそのような本を書いたのか。  将来の日本を考えるからである。
しばらくアメリカに住んで、つくづく感じさせられたのは、日本がどんなに天然資源がとぼしいかであった。
まったく、お話にならないほどの差なのである。
この貧弱きわまる天然資源で一億の日本人が人なみの生活をしていくためには、 どうしても原料を輸入し、
製品を輸出するほかにない。ぜったいそれ以外にはない。
ということは、 工業がわたくしたちの生活を支える屋台骨だという事実を意味する。
だから、 これからの若い優秀なひとたちは、 どしどし理科・工科の方面に進出してくれなくてはこまる。
そちらに向くすぐれた人材が出なくなった時は、 すなわち日本が衰亡への途をふみ出した時である。
 
 理科・工科むきの勉強に主力を傾けなくてはならない多くの青年たちに、 しかし、 わたくしたち教師は、
古文をどう教えたらよいだろうか。 
国文学者のタマゴたち相手なら、 むしろ楽だと思う。 
わたくしたちのタマゴ時代に受けたとおり厳格な専門的訓練をあたえればよいのだから――。
だが、 理学士 や 工学士、 あるいはそのよき協力者となるはずの 経済学士 や 法学士 をめざす人たちに、
どんな事を教えたらよいか。
わたくしたちは、 自分がクロウトであることをつい忘れ、 「これぐらい、知っているのは当然だ」 と考えやすい。 
しかし、 それは狭い縄ばりにたてこもる学者根性というものだろう。 
高校生諸君は、 数学も、 理科も、 社会科も、 外国語も・・・やることはいくらでもある。 
そこへ、 それぞれの専門の先生がたが 「これぐらいの事は・・・」 と主張されたら、
たまったものではない。

 だから、この本に書いてあることは、 試験の場合でいえば、 満点をとる方法ではない。
わたくしが力説したのは、 合格点を取る要領なのである。 
よく考えてみたまえ、 満点なんて、 取ってみたところで、 使い途のないものだ。
合格さえすれば点数はどうでもよろしい。
点数なんかにビクビクしているようでは、 とても日本を背おう人材にはなれない。 
が、 合格しなくては、これはこまる。 
そこで、合格するだけの点数は確保する――というのがわたくしのねらいなのである。

 といって、 何も大学入試だけを頭においてこの本を書いたわけではない。
ほんとうは、 えらい人物になってもらうため、 どうしても古文の教養を身につけてほしいからである。
諸君がまだ下っ端の間は、 たいして古文の必要なんか感じないかもしれない。
しかし、 重要なポストについて全人間的な活動をするであろう時、 特に海外でしごとをする際など、
古文の教養がどれだけ諸君を助けてくれるか。
いまは想像もできまい。
が、やがては身にしみてわかる時が来るはず。
だから、 諸君がいまいちばん関心をもっておいでだろう入試という現実を通じて、 古文の世界への道路工事を
しっかりやっておきたい。
それが、 わたくしの願いなのである。
この道を、 諸君の高級車が、 いつかは快適にすべってゆくことであろう、 その日を期待する。
1962年5月 著者
(5)
このレビューは参考になりましたか?
37 人中、34人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書は多くの点でユニーク。
文章のくだけた調子から学習内容の構成まで、著者の個性にあふれた参考書です。

しかし、広く受験生にオススメできる参考書ではありません。
古文のおもしろさや学習方法は指南してくれますが、実際に古典を読むのに必要な、基本レベルの古語や文法の知識は授けてくれないからです。
学校の授業を理解している人間のバックアップはするが、授業についていけない生徒のサポートまではしないよ、というのが本書のスタンス。
本書プロローグにも、次のことがしっかりと記されています。
  ◎ 本書での学習には、授業で使っている古文の教科書が必要
  ◎ この本は、教室での勉強をいっそう効果的にするため、もっとも貢献するであろう

教科書併用という著者の方針もあり、一般の古文参考書と比較すると、古語の説明や鑑賞できる古典作品の量がかなり削られています。
そういう意味では、実際にふれることのできる古典作品の文章が少なく、古典好きの自分としてはかなり欲求不満が残りました。
したがって、初歩から古文を学習したい学生や社会人には、もっと基礎的な古語の説明や有名な古典作品のさわりが数多く収録されている 『やさしい古文』 など、他の参考書のほうが役立つでしょう。
また、古文を勉強し直したり、古典を原文で読めるようになりたいという社会人にも、本書ではなく、おなじ小西先生の 『古文研究法』 の方をオススメします。
本書 『古文の読解』 は 「教養書」 であり、実際に古文を読めるようになるための 「実用書」 ではないからです。

古文を学習するにあたり、話は平安時代の生活描写から始まります。
古典常識などというカタイ話ではなく、どんな建物に住み冬はどれくらい寒かったか、ふだんの食事はどんなものを食べていたのかなど。
--------
もし諸君が平安時代の京都に住んでいたとするなら、食料品の買い出しのため、市(いち)とよばれるマーケットに行かなくてはならない。都の中央を南北に走る朱雀大路(すざくおおじ)を羅生門から北にのぼり、七条通りを右に折れて六百五十メートルあまりゆくと、市の門がある。そこを左にはいると、 「さあ、いらっしゃい!」

生活の話題のつぎには、平安時代の人々の感じかた。
さまざまな古文を例にひきながら、 (現代人とはちがい) むかしの人たちが 「恋は苦しいもの」 ととらえていたことをとりあげ、つぎのように話を結びます。
--------
それにしても、 「恋はたのし」 と 「恋は苦し」 のどちらが恋愛観として真実であるかは、いつかまじめに考えなくてはならないような日が君たちに訪れるかも知れない

冒頭のはしがきでは、他の教科の学習時間も考慮し、満点ではなく合格点を取れるていどの詰め込み式でない学習をめざすとしています。
ところが後半、語彙や文法、そして解釈の話になると、 (おそらく熱が入りすぎたのでしょう) 内容はいっきに受験範囲をこえた高尚かつ微に入り細をうがつ話題へと突入していきます。
    If you will cook the dinner, I will wash the dishes.
    そこに夕餉を調へ[む]には、われは器どもをぞ浄め[む]
つまり平安時代の推量の助動詞 「む」 は、現代英語の will でおきかえ可能――といったぐあい。
小西先生の面目躍如といった解説であり、ここからが教養書としてのいちばんおもしろい部分です。
たぶん受験生の多くは、このあたりで本書を投げ出すでしょうが・・・

それにしても、 「ならびの修飾」 の話など、すでに学校を終えた人たちなら興味深く読めるでしょうが、めったに試験に出ないような難問を持ちだし、気持ちに余裕のない受験生をおどかすのは、ちょっと意地悪じゃないか。
ある意味、そうした先生の意地悪ぶりも、本書の魅力のひとつと言えるのかも知れません。
このレビューは参考になりましたか?
46 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
結構年を重ねた大人には懐かしい書物です。しかし懐かしさ狙いではなく、今でも価値を持つ本だからこそ復刊されたのでしょう。古文研究法 改訂版より基本的で語り口調なので、受験的な知識を持った今の高校生にも馴染みやすいです。効率重視の受験の為になるとは思いませんが、時代を越えて古文を好きになるため、古文に慣れるための本としてすばらしいものです。文系専用ではなく、理系の人にもやさしい造りであると思います。理系だからと古文を忌避せず、湯川秀樹も嗜んだからとでも思って、古文を好きになって下さい。

文庫でも文字をぎっしり詰めて500ページあります。知識をつけるとか、問題演習のためのものではないので、毎日少しずつというより、受験の基本的な文法と単語を詰め込んだあと、とにかく読み通すのを重視して3回くらい早く繰り返し読むのがいいと思います。

学生にとってもそんなに遠くない将来において、自分を見直し、自国を見直す時は必ずやってきます。そのとき、古文を読める力は必ず必要になります。小西先生が古文研究法で言っていることですが、大人になって何かのきっかけで、落ち着いて自国の古典を読みたいと思ったときに、そもそも古文を読む力がないのは悲劇です。

ちくま評論入門 (高校生のための現代思想ベーシック)新釈 現代文 (ちくま学芸文庫)の復刊など、国語のために、2009年度の筑摩書房はすばらしい仕事をしました。ただ大判ハードカバーじゃないのが残念。そのぶん値段が高くても文句ないのに。
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最近のカスタマーレビュー
霧が晴れ日本の古典の姿が見えてくる書
小西甚一『古文の読解』(ちくま学芸文庫)を読む。
今年2月10日に復刊され、本屋からあっという間に姿を消した。... 続きを読む
投稿日: 1か月前 投稿者: yukio1118
かなり「国語力」のある高校生でないと、一冊全部は読み通せないのでは…
古典の文章を読み解くちからを伸ばすための、1981年刊行のとても有名な参考書らしいです。受験生のためのものですが、「老いの手習」として読んでみました。... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: しろぼん
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投稿日: 8か月前 投稿者: ママモステ
私には読みにくい本
 伝説の参考書といわれたものの復刊なので、ある日書店で
目にした瞬間そのまま購入しました。... 続きを読む
投稿日: 12か月前 投稿者: ペリカン堂
この復刊には無念さが残ります。
本当であれば、このレビューは書かずに止めようと思っていました。
ただ、高校2年生の方のレビューを見た故書く事にしました。... 続きを読む
投稿日: 15か月前 投稿者: 風羅
さすが!!!
現役の高校二年生です。
色々な受験参考書を本屋で立ち読みしたり、
実際に購入して試してみたりして思うのですが、... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: 読者Z
高校生で本書に出逢えたなら、大変幸運です
この「参考書」は、1962年に発表され、1981年に改訂版が出版されています。
本書はこの改訂版を復刻した書籍です。... 続きを読む
投稿日: 19か月前 投稿者: 悶
優しい語り口調で古文の魅力を受験生に伝えた名著
10代の時に古文の魅力を教えられ、50代に再び日本の古典文学の奥深さを教えられるというこの名著を再読しています。旺文社から出ていましたが、どういうわけか長らく絶版... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: sasabon
日本の歴史を身近に感じさせる名著
 この著作は、古文の読解のためのコツを伝授するための書だという。... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: 雲のジュウザ
読みものとしても一級品
これは。古文の参考書なのに読み物としても一級品である。
小西さんは。能狂言俳句に造詣が深く、英仏中国語にも通暁しているため、... 続きを読む
投稿日: 24か月前 投稿者: Gori
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