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古希の雑考―唯幻論で読み解く政治・社会・性 (文春文庫)
 
 

古希の雑考―唯幻論で読み解く政治・社会・性 (文春文庫) [文庫]

岸田 秀
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「政治不信」「外務省という不幸」「守るべきは教育か教員か」「精神分析は集団心理学である」「銃とアメリカ」―。政治家、官僚、そして一流といわれた企業の不祥事が続発した世紀末。さらに凶悪な青少年犯罪が新世紀の初頭を賑わす現代日本の病理現象とアメリカの被害妄想をものぐさ先生が精神分析すると…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

岸田 秀
昭和8(1933)年香川県善通寺市生まれ。早稲田大学卒。中学時代から強迫神経症に悩まされ、自身の心の問題を解決しようとしたのがこの道に進んだきっかけ。やがて強迫症状はすべて自分を支配しようとした母親との葛藤から起きたものと悟り、神経症から解放される。昭和52年、人間は本能の壊れた動物であり、「幻想」や「物語」に従って行動しているにすぎないとする「史的唯幻論」を『ものぐさ精神分析』のなかで披瀝、一大センセーションを呼ぶ。以降、精神分析の手法を社会、集団にも適用させる特異な文明批評家として人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 398ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2007/1/10)
  • ISBN-10: 416754010X
  • ISBN-13: 978-4167540104
  • 発売日: 2007/1/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By KY
形式:文庫
 恥ずかしながら、岸田秀の本を読むのはこれが初めてなのだけど、読んで後悔した。「なんでもっと早くに読まなかったのだろう」と後悔した。まぁ僕は、面白い本に出くわすといつもそう思うのだけど。

 僕が読んでいて感じたのは、その首尾一貫している着眼点の面白さだ。人間は社会の中に位置を占めてこそ存在意義を自覚できる、というような事を「唯幻論」と名付けている。これって養老猛の「人は脳の中に生きている」というのと同じ意味合いじゃなかろうか。ともかく、森羅万象を(アメリカの覇権主義の話からグラビアアイドルのことまで)、その独自の論理でばっさばっさとやっつけていくさまが小気味よい。

 どうやら唯幻論を一種の「トンデモ」と分類する人がいるらしく、ご本人は、それに憤慨なされて、わざわざ反論のために一文を書いておられたりする。が、無責任に言わせていただけば、「トンデモでもいいじゃない、面白ければ」と思う。
唯幻論の出所である精神分析は、一般人にとってある種のいかがわしさを持っていて、そのいかがわしさの分だけ魅力的なのである。唯幻論も、トンデモの香りが隠し味のスパイスとなって魅力をきわだたせていると言えるのではなかろうか。

 なお、本のあとがきでは、ご本人自ら、(トンデモ的)牽強付会な精神分析もどきを披露して読者を大いに笑わせている。こういう離れ業ができる知性に、心底からあこがれを感じる。
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