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古代国家はいつ成立したか (岩波新書)
 
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古代国家はいつ成立したか (岩波新書) [新書]

都出 比呂志
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本列島で「国家」はいつ成立したのか。それを解き明かす一つの鍵が考古学の成果にある。集落の構造、住居間の格差、富を蓄えた倉庫の様子など、社会構造の変遷を追っていったとき、邪馬台国は国家なのか、倭の五王の頃はどうか、あるいは7世紀以降の律令体制を待つのか……。諸外国の集落との比較も交え、わかりやすく語る。

内容(「BOOK」データベースより)

日本列島に「国家」はいつ成立したのか。それを解き明かす一つの鍵が考古学の成果にある。集落の構造、住居間の格差、富を蓄えた倉庫の様子など、社会構造の変遷を追っていったとき、邪馬台国は国家なのか、倭の五王の頃はどうか、あるいは七世紀以降の律令体制を待つのか…。諸外国の集落との比較も交え、わかりやすく語る。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/8/20)
  • ISBN-10: 4004313252
  • ISBN-13: 978-4004313250
  • 発売日: 2011/8/20
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By be3osaka トップ500レビュアー VINE™ メンバー
この書を読むと律令国家以前の日本列島における人々の暮らしと支配の様子がよくわかる。

多くの人々は漠然と国家とは何かについて考えたことがあると思う。著者は考古学の成果を充分取り入れながら日本(この地)におけるその「国家」の成立について興味深い叙述を展開しながら6章の「日本列島に国家はいつ成立したか」に結びつけていく。

かつて高校で学んだ日本史の知識と比較しながら読んでいくと学問上の成果と自分の思考が関連づけられて知的な刺激を受ける。倉庫が建ち並ぶ様子から租税の徴収があったと推測し、王の住居遺跡の状況から王の支配の様子も語られる。

6章で著者の見解がまとめられている。そこには戦争下での空襲体験や苦難を経験した母親の言葉「国は信用ならない、日の丸をみるのもいや」が原体験として記されている。一方EUなどに触れつつ現代のゆらぎがみえる国家というものを考えていきたいと述べている。

著者の姿勢に共感をもちつつ新しい知識が整理されて示されているので非常に面白く読めた。
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5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ishilinguist トップ500レビュアー
 古代史における国家形成を論じたものという意味では、必ずしもその範囲やテーマ自体は目新しいものではないが、現時点での考古学・文献史学の枠組みから誠実に古代日本国家の成立を論じたものである。この分野の一通りの知見や知識は得ることができる。
 本書の特徴は、漠然とした「国民国家」を前提とせず、その存在および定義を一から問い直している点にある。世界的な視点での比較研究、日本列島に住む集団の多様性、東アジア世界規模での交流などがテーマとして取り上げられ、その研究に広がりと深みをもたらしている。
 現代の我々の抱える問題の多くは、国民国家の「揺らぎ」と深くかかわるものであり、いまいちどその本質と起源を問い直すことは、将来への視野を得ることにつながる。 
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By 空満
 国家の成立は古墳時代の開始をもってする。3世紀初期の邪馬台国の登場がそれに当たるという著者の説は、最新の考古学的なデータを元にした分析と論証で納得できた。邪馬台国は『魏志』倭人伝にもあるように首長連合であった。3世紀の日本は、一勢力が力によって全国土を支配できるような政治的経済的なレベルにはなかった。中央集権制の律令国家が成熟国家だとすると古墳時代は初期国家であったという。古墳や首長居館で象徴される身分制と徭役労働徴発、巨大倉庫群で示唆される租税の存在、共同イデオロギーとしての前方後円墳祭式などがその指標となる。
 4世紀末から5世紀にかけて河内に巨大古墳群が出現する。これをもって河内王朝の存在が議論されてきたが、考古学プロパーからは否定的に見る意見が有力だった。しかし、本書では、それともまた異なる見方が提示されていて注目した。この時期には全国各地の古墳で変動が生じている。それまでの首長系譜の古墳群の中断と新たな系譜の登場がめだつという。これを著者は、大和にあった政権中枢を支える首長同盟から河内を拠点にする首長同盟へ政治的イニシアティブが移ったと推測する。
 古墳の継続性と断絶から政変を想定する著者は、5世紀末と6世紀初期にも着目する。雄略天皇と継体天皇の治世であり、文献史学においても重要な変動のあった時期である。それが考古学的にも裏づけられる。古代史が考古学という3次元上の世界を舞台にして語られる。文献史学の隘路を打ち破って、歴史の視界が開けるような感慨を覚えた。
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