メタローグ
一度食べたものをわざと嘔吐しながら美食の限りを尽くした古代ローマ。その中でも随一のグルメと謳われたアピキウスの料理レシピ集(自著かどうかの真偽は不明とのこと)。要は映画等のローマの大宴会シーンに出てくるアレです。黒いワインを白いワインにする方法とか、詰め物をした豚の乳房とか(授乳前、分娩翌日のが最も旨いとか)、雌豚と出産経験のない豚の外陰に沿えるソースとか、もうそれらしいのがゾロゾロ出てきて楽しめます。巻末には、初めてのパン屋開店とか、ローマの執政官が人気取りから頻発した市民への穀物無料配布などが載った食料事情の年譜付き。(守屋淳)
『ことし読む本いち押しガイド1999』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
出版社 / 著者からの内容紹介
AD14年、二代目皇帝ティベリウス帝の治世。皇帝の息子の親友で貴族のアピキウスという人物がいた。彼は、豚に干しイチジクをあたえてレバーを肥育させる方法や、キャベツを油と塩で漬けてから煮ると色よくなる方法を考案。料理技術で高い評価を得るいっぽうで、稀代の美食家として名を馳せていた。皇帝が市民25万人にあたえるボーナスと同じくらいの巨額を食に投じ、財産はじゅうぶんにあるのに「これでは旨いものが食えない」と服毒自殺。その彼が残したのは、肉、野菜、魚介類などさまざまな食材を使ったレシピ集「アピキウスの書」だった。「牡蠣を酢で洗って保存する」など食材の保存法にはじまり、フラミンゴのロースト、詰め物をしたオオヤマネのローストなどの珍しい料理。胃腸によい料理。これらに添える多種類のソース。デザート。料理にはハーブをふんだんに使っていたこと。魚醤に似た謎の調味料ガルム、すでに絶滅した植物シルフィウムの存在。熱灰をかぶせて蒸し焼きにする調理器具など。 現存する最古の料理書といわれるこのレシピ集にコラムを加え、料理を通してローマという時代をより深く知ることができる。