ローマ帝国の日常をBC2世紀まで、ポエニ戦争以後、元首制前期(つまりアウグストゥスの世紀)それ以後、ネロから五賢帝時代の残照が残る時代まで(セプメティウス・セウェルスの統治まで)を大きな時代区分とくくりとして扱う。
その叙述はまず、彼らの生活は当時の詩人や今日の通俗的評価において批判されるようなものだったのか?そうでないならば具体的にどのような生活を送って来たのかという形を>とる。以後時代区分ごとにそれを繰り返すことによってローマ人の生活の変化を追っていくという形をとっていく。そしてこの繰り返しは最後に彼らの運命、宗教観、そして彼らの精神から最後まで離れなかったものという心の問題に到達して幕を降ろすだろう。
これらのうちで常に検討されるのは彼らの住居である。伝説上のロムルスの時代の円形の掘っ建て小屋からポンペイの遺跡で観られるような "ドムス"への発展、さらに最上流の>人々(執政官小プリニウスや皇帝ハドリアヌス)の心の安らぎと平穏の源泉であった別荘がどのような背景や実際的な要求があってあのように変化していく叙述は単にローマ人たちの住居様式の変化のみならず,彼らの心の変化も雄弁に物語るだろう。
ローマ史を学んでいる人にとっては各時代を語る前に述べられる史料の扱いに関する記述が各時代の史料をどう扱うかという問題へのガイドになるだろう。ローマ史を楽しむ人々にとってははっきり確認できる時代ごとに記述される化粧、演劇や競技、食事や普通の人々の仕事の風景があたかも風景画のように立ち表れ楽しませてくれるだろう。