マヤの歴史を王たちの個人の顔を観ながら読むことができます。日本語では初めての本でしょう。もともとマヤ文明の本自体が日本語では非常に少ないので、物好きの門外漢が読める本がなかなかない。しかも、信長とかフィデアスとかアショカ王とか康煕帝とかいうような個人の名が無く「ティオテワカンの影響がティカルにみられる」とかいうような真面目な記述だったのでどうも迫力がありません。ところが、この本では、なんと、本物の同時代の肖像つきで多くの王と女王とその事績が、時には誕生日や即位日まで明確に紹介されています。肖像のない日本の古代の有名人よりリアルかもしれません。碑文中心に再構成された歴史という点ではカンボジアのアンコール王朝の歴史にも似ています。これをネタに小説やゲームを制作する人もでてきそう。
採用されている人名がどの程度正しいのかはわからないが、御堂関白や六波羅殿などという通称程度には個人名としてふさわしいかもしれません。
低地マヤの諸王国に限っているのは、どうも北部ユカタンや南部高地の諸都市では歴史碑文があまりないか、解読されていないためのようです。有名なチェチェン=イツアの歴史さえ、現在でもよくわからないらしいのには驚きました。