学生社から出版されている『マヤ』は1966年に出たこの本の初版の翻訳である。両者を読みくらべれば、この30年あまりのあいだに、いかにマヤ研究が進んだかがわかる。著者のマイケル・コウ博士はかなりの高齢とおもわれるが、精力的に改訂を重ねているのには脱帽する。
本書は、Robert Sharer"The Ancient Maya"Stanford Univ.Press(1994)とならび、古代マヤについての代表的な概説書。両者のページ数をくらべれば一目瞭然であるが、"The Ancient Maya"とならび、古代マヤについての代表的な概説書。本の厚さをくらべれば一目瞭然だが、"The Ancient Maya"が内容てんこもりなのにたいして、本書はだいぶシンプルである。情報を詰め込むよりも、ある種のストーリーとしてわかりやすくマヤ史を読むことができて、わたしは好きである。
"The Ancient Maya"は、情報を検索するときに「事典」として使える「便利な」本なのにたいして、本書は読みものとしても「楽しい」本である。
「チチェン・イツァーはトルテカに侵略されたのか?」という部分に端的にみられるように、老学者らしく、やや古い学説を堅持しているともみえるが、そのような場合でも最新の学説にもじゅうぶん配慮を払っている。