非常に読みやすくて、飽きることなく最後まで楽しめた。
選挙のポスターからポンペイの行政制度の説明になり、そこから名望家たるものの役割に通じて、民衆の愛する見世物の話になる。
民衆の残した落書きらしい落書きになると、一層、生々しく、そこに生きた人々の情愛が感じられる。
彼らは、幸せを願い、時には酔っ払い、愛を語り、かなり赤裸々に語り、文学を学んでいた。
そして、識字率の検討する。再び研究としての厳密さを感じさせられる記述である。
書かれた場所や文脈を考慮し、いくらか想像を膨らませる。その解説を読まないことには、落書きというのは、やっぱり理解が難しい。
著者の解釈が正確であるかどうかは書き手しかわからぬことであるが、ポンペイを見つめる目線の暖かさが感じられて、古代の見知らぬ人々の生活に微笑ましく思いを馳せることができた。