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古代ギリシアの女たち―アテナイの現実と夢 (中公新書)
 
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古代ギリシアの女たち―アテナイの現実と夢 (中公新書) [新書]

桜井 万里子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

紀元前5、4世紀、アテナイはスパルタと並ぶギリシア最強の国力を誇る繁栄のポリスであった。その文化遺産は、今日にいたるまで多大な影響をもっている。しかし、このアテナイは徹底した男社会であり、女が自らを書き記した史料は皆無に等しい。本書は、繁栄の陰に隠され、社会的な自由を奪われて、抑圧の生涯を強いられたとされる女たちの誕生・結婚・姦通などのさまざまな事件を照射、検証し、実態とその社会を描く。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桜井 万里子
1943年、東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋史学専門課程修士課程修了。東京学芸大学教育学部教授、東京大学大学院人文社会系研究科教授を経て、東京大学名誉教授。専門は古代ギリシア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 新書: 237ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1992/12)
  • ISBN-10: 4121011090
  • ISBN-13: 978-4121011091
  • 発売日: 1992/12
  • 商品の寸法: 17.4 x 11.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 326,550位 (本のベストセラーを見る)
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 石岡岩石 VINE™ メンバー
形式:新書
 女性論の視点から、民主制時代のギリシャ・アテネ社会の実体を解明し、それが形式としては似ていても自由の原理に基づく近代の民主主義が制度化されたものではないということを明確にしている本。史実の持つ意味を一般読者にも良くわかるように説明してくれているし、巻末には事項索引までついているとても親切な内容。また、そのような過去の史実を語ることを通して、政治制度の成立は社会の実体が条件となるのであってその逆ではないという本質を持つ、という現在に通じる普遍性をも語ってくれている。私にとって印象的であった内容の一部を下記する。

 アテネの民主制は市民の民主制であり、奴隷とメトイコイ(在留外国人)は非市民として区別されていた。だから、市民以外は人間的価値の次元で区別されており、その存在価値は、物の供給と欲望の充足手段であった。市民である男性の伴侶としての女性は市民身分に属していはいたが、生活の場は公(政治)ではなく私(家庭)であり、尚且つ個人としての生き方も宗教行事以外は社会的に制約されていた。その本質的理由を著者は次のように言う。即ち、市民である成人男性は市民身分の集団を守るためには先ず他国と戦わねばならず、市民身分の女性は兵士を生み育てねばならなかったが、戦いは殺人という暴力で、生殖はその対極にあり、従ってその二つは区分されねばならなかった、と。人間は、集団を存続させるためには本質的に異なるものを区分して意識せねばならず、その意識が制度化され、その制度により個としての人間は制限される。そのように制度化されていったアテネの民主制は、それ以前の貴族制よりも個としての女性を制限するものであった。
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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
充実した内容 2004/9/21
By atopos
形式:新書
ジェンダーを問題にした、古代アテナイの論文として、卓抜である。
女性の地位の低さだけではなく、女性と祭祀、今までの研究におけるバイアスのあり方に言及している点は、特筆に価する。
性別による社会的役割にも言及しているので、女性だけの本ではない。
女性論から逆照射される、戦士としての男性論というのも見えるだろう。

巻末の注もアイウエオ順の辞書形式になっているので、ジェンダー論に関心はあるが、アテナイに関する文献は読みなれていない人にも、お勧め。

このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書|Amazonが確認した購入
本の内容
「紀元前5、4世紀、アテナイはスパルタと並ぶギリシア最強の国力を誇る繁栄のポリスであった。その文化遺産は、今日にいたるまで多大な影響をもっている。しかし、このアテナイ社会は徹底した男社会であり、女が自らを書き記した史料は皆無に等しい。本書は、繁栄の陰に隠され、社会的な自由を奪われて、抑圧の生涯を強いられたとされる女たちの誕生・結婚・離婚・姦通などのさまざまな事件を照射、検証し、実態とその社会を描く」(表紙カバー裏の文)

壺絵などの図版が多かったのが良かったです。

このような、史料のない世界を、想像で補える小説や漫画などと違う学問の世界で、ここまで形を持って描かれたことはすごい、と思う。
あとがきの文より・・・「古代ギリシアの女たちが私たちに残してくれた直接のメッセージはあまりに少ない。中空の殻のまわりを巡りさまようようような思いのなかで、彼女たちが語りかけてくれないなら、こちらから近付くしかないと考えるようになった。意識と感性の感度を鋭くして。」・・・この、「意識と感性の感度を鋭く」という姿勢は、私たちが、学問に関わらなくとも、人と対するときに大切なことと肝に銘じたい。桜井万里子先生に敬意を表したいです。
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