オリンピックについてその起源、歴史的意味を著者らの見解を交えて分かりやすく書かれている。オリンピックはもともと宗教的儀式であった。紀元前8世紀頃から1200年間に亙り継続的に開催されたこの行事は、ギリシャ都市国家文明のなせる社会現象の一つとして理解出来る。近代オリンピックは、もちろんこの史実に関係しているが、その関係の内容は政治的なもので学術的な忠実さには欠ける。多神教の宗教儀式である古代オリンピックがキリスト教の教義に反するため中止され、キリスト教の束縛から解放された近代に至り世界平和の必要性から再登場したことなど、オリンピックを世界史理解のための共通項と考えると、現代のオリンピックはまた新たな目で見ることが出来て面白い。