内容(「BOOK」データベースより)
草創期の神社と政治の、不思議な関係が渦巻く平城京と平安京。神社とは何なのか。京という空間の形成から「都の神」の成立、怪異を吸いとる神社の役割まで、古代の神社の歴史をたどり、都と神社との関わりを解き明かす。
レビュー
担当編集者より“政治と神社”というと靖国神社が有名ですが、じつは古代草創期の神社こそ、きわめて政治的な施設でした。
そもそも神社とは何でしょうか。本書では、平城京・平安京のまわりに配置された神社をとりあげて、かくされた神社の役割を明らかにしています。
面白いのは、神社が怪異・天災を吸いとる掃除機のような役割をはたしていたことです。天災が起きた時、朝廷は神が何らかのサインを天皇に送ったと考えました。そして、神社祭祀を行うことで、国家がさらなる災いを抑えたと理解したのです。
彼らは神を「利用」しながら、おのれの権威を高め、正統性を主張しました。現代的にいえば、政府のプロパガンダ戦略といって良いでしょうか。
“日本人の心のふるさと”といわれ、ノスタルジックなイメージさえある神社。私たちがこれまで抱いてきた常識を、崩してくれる好著としてお薦めします。