改めて、石ノ森章太郎さんの感性と想像力には恐れ入った。まさに古事記に新しい生命の息吹を与えたと言えると思う。
石ノ森さんは、古事記は元々が漫画だと言う。ただ、彼が言うからにはその意味は深い。スペクタルな娯楽であると同時に遠大なるロマンであり、哲学でもあると思う。
さて、この古事記は上巻、中巻、下巻の内、上巻のみで、アマテラスの孫であるニニギの地上降臨、いわゆる、天孫降臨までである。よってヤマトタケルのお話までいかないが、私は古事記の最も良いのは、この上巻であると思う。
日本最古にして最重要な神話だけあり、やや細かな解説も省くわけにはいかず、読むのには多少の忍耐も要する。しかし、やはり普通の古事記の本とは違い、ダイナミックな躍動感と巧妙なジョークで楽しく読め、しかも、読後の印象は決して軽薄なものではなかった。
少年っぽいスサノオも素敵だし、女神様達の萌え姿も楽しかった。
やはり石ノ森漫画は素晴らしいと思った。