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121 人中、105人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
古事記の入門書としては、、、,
By 知床遙かなり (北海道札幌市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 口語訳古事記 完全版 (単行本)
本書を古事記の入門書として位置づけるのは疑問である。口語訳、つまり語り部を用いた手法は、語り部(著者)の意志を読者の心に直接投げかける性質を帯びる。本書の核心は、反体制・反国家観を以て古事記を語ることであろう。その一例は、天つ神に敗れた幾多の神への同情にも滲み出ている。著者は古事記をそのように解釈した背景に、戦後の革新運動の影響があったと述べている。しかし、古代の語り部は何も反体制に終始するとは限るまい。世界の誕生から国家としての日本成立に至るまで、古事記の登場人物は命を吹き込まれた、躍動感あふれる存在である。それを象徴する「命(みこと)」の敬称を排し、呼び捨てていることにも大いに違和感を覚える。自然、生命に対する畏敬の念が本書では伝わってこないのである。古事記に不可欠な宗教観の欠落は、それこそ著者のいう「古事記を突き抜けたもの」となろう。また、原書の構図から外れて、著者は神代一篇、人代二篇に改編を加えている。何よりも天皇(大君)毎の題を排した構図となっている。それは政治的構図を排した著者の意図でもある。しかしながら、完全版と銘を打ち、あとがきにある「原書に立ち返る必要がない」と自賛していることは独善的である。原書の重みとはそれほど軽いものではなかろう。原書の編纂目的を否定し、読者に原書を読ませたくない理由は何か。素朴に古事記に触れようとする読者に対し、入門書として必ずしもふさわしくないと考える所以である。
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
面白い VS 難解、さあ どっち?,
By イシハラ (福井) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 口語訳古事記 完全版 (単行本)
読むのにすごく時間がかかりました。それだけアタマの中が軟弱になってるってことかなそれとも、やたら出てくる神様の名前にお手上げだったってことかな。でも、何となく知っている日本神話に詳しくなれました。アマテラスが何故天の岩戸に隠れたか、意外でしたね。神様間に血縁関係は、あんまりよく分かったとは言えませんが・・・。この本のいいところは、原文にはない文章を挿入して、分かりやすくしてくれているところ。ときどき、ツッコミもあったりして、うれしかった。ページの下1/3が脚注になっていて、これまた読みごたえがあるんですよ。高志というのが、福井地方の古名だったとか、初めて知ったことがいっぱい。世界の同様な伝説では上手く成功するのに、因幡の白兎はワニにやられちゃうワケなんて、へえ~×10です。時間とアタマに余裕のある人にお勧めです。
51 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
これは歴史的偉業だ,
By
レビュー対象商品: 口語訳古事記 完全版 (単行本)
「私たちが読んでいる古事記は文字とは無縁な世界を抱え込んで成立した」と著者はあとがきで記している。そして本文は以下のような語り口ではじまる「なにもなかったのじゃ……、言葉で言いあらわせるものは、なにも。」また、前文には「現代のわたしたちが読むと、古老の語りには不自然なところがあるかもしれません。それは、わたしたちがごくふつうに使っている音読の漢語をまったく使おうとしないからです」とある。誰が何をどのように書いた本なのかを端的に言えば以上のようなポイントになるだろうか。伝承の書として何となく我々が理解している古事記の本質を見事に捉えた名著だ。文藝春秋社が記念出版として選んだこともうなずける。
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