基本的に無駄話が多いので速読気味に読みました。
ただ軽薄な文章なだけに(?)ローウィーが生きた時代の空気がよく伝わった気がします。
18世紀から産業革命による工業製品の大量生産が始まり
その最初の国産博覧会として1851年にイギリスで英国万国博覧会が開催されました。
その展覧会での自国イギリスの出品作品のデザインの醜悪さに耐えられなかったウィリアム・モリスは
イギリスのデザイン改革、つまりアーツ・アンド・クラフツ運動を展開します。
しかしアーツアンドクラフツ運動は手仕事と機械との融合であり、あくまで主体は手仕事にある前時代的ものでした。
そこで1920年代ごろからドイツで機械を主体とし、大量生産品を前提としたデザイン改革運動であるバウハウスが起こります。
そういった西洋での歴史的なデザインの転換点の中でフランス生まれのレイモンド・ローウィーが新大陸アメリカでデザインを中心にすえた
何でも屋、インダストリアル・デザイナーとして七面六腑の活躍を繰り広げます。
つまりこの本はまじめにインダストリアル・デザイナーの秘法を探る書としてではなく
どのような時代背景のかなで職業としてのインダストリアルデザイナーが誕生したのかということを知るものだと思います。
話の構造としては
こういう問題があったんだ→オレはこうやって解決した→オレ、すごいでしょ
こういう考え方が主流だったんだ→おれはこういう新しい考え方を提案したんだ→オレ、すごいでしょ
という感じがしました。
ただ今に続くインダストリアル・デザイナーなるものの思考回路にどこか通じるところが
あるように感じる気もします。