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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
天よ聞け、地よ耳をすませ、人よ手にとれ。,
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レビュー対象商品: 叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫) (文庫)
徳間さん、復刊大感謝!山田風太郎の小説は、忍者モノ戦国モノより、明治モノのほうが好きだが、 これは別格。 今から30年前、専門家かよほどの戦国ファン以外は知らなかったはずの、 名将直江兼続、そして快男児前田慶次郎を、これほど面白く描いた山田の炯眼、 豪腕には、つくづく頭が下がる。 上巻は関ヶ原と大坂の陣の間を舞台に、上杉家の存亡、豊臣恩顧の名将たちの思惑、 徳川家謀臣本多正信の庶子長五郎の魂胆などが絡みあいつつ、抱腹絶倒の大活劇が展開。 前田慶次郎ほか、武蔵も小次郎も登場。ここまでは、とにかく涙が出るほど面白い。 下巻ではさらに、京都二条城の大廊下を舞台に、強引な「浅野家」と謹直な「吉良家」、 さらに侠気に溢れる「上杉家」がからむ、後の赤穂事件のパロディや、出雲阿国も登場、 益々筆が冴えまくるが、真田幸村が顕われるころから、次第に面白さに緊張感が加わる。 そして、あれほど君臣相和していた直江兼続と前田慶次郎ら直江四天王との間に……。 このあたり解説者も触れているが、後半の哀調は山田作品でも出色。 そもそも題名の「叛旗兵」とは不思議な響きで、山田風太郎作品でなければ「?」だろう。 途中、物語のあまりの面白さにそんなことは忘れるけれど、下巻も最後半になって、 その意味を悟る。そして、山田がこの一見荒唐無稽と覚しきエンターテインメントに籠めた、 冷徹な史観と人間観に共感を覚える。 執筆年代でいえば、忍法モノと明治モノの間というのもうなづける。 つまり、『警視庁草紙』や『地の果ての獄』で花開く、史上の著名人が見事に交叉する手法が、 戦国末期を舞台に華やかに試みられ、成功している。 しかも『魔界転生』のような怪力乱神でなく、あくまでこの世の悲喜劇として描かれる。 NHK大河で直江兼続を採り上げたからこその復刊だろうが、いったいどちらが 直江の真実に近いか、それこそ、「天」も「地」も御照覧あるべし、だ。 もちろん読書「人」も。
5つ星のうち 3.0
期待が大きすぎた?!,
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レビュー対象商品: 叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫) (文庫)
期待が大きすぎたのか、風太郎翁の長編小説としては、盛り上がりにかける気が。読後の感想は、あまりピンとこなかった、といったところ。 大ファンなので、後で読み直してみるけど、ちょっと残念
5つ星のうち 5.0
「エンタテインメント」を楽しめるか,
By 軍曹 (大分県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 叛旗兵〈下〉―妖説直江兼続 (徳間文庫) (文庫)
時代小説の書き手にはふたつのパターンがあると思います。史料に忠実に、その隙間を想像力で埋めてゆくタイプ。 自らのアイディアを生かすために史料を逆に利用してしまうタイプ。 山田風太郎さんは典型的な後者です。 登場人物はほとんど史料では実在の人物で、 はなしを面白くするためにも数々の大物が登場します。 そこで自分の知識を基に「この設定、おかしくない?」とか 思っちゃったら負けなんですね。とにかく楽しむべき。 ですので、時代小説の素人、というか、あまり歴史的に知識を もたない(漫画やゲームで前田慶次郎を知った)かたなんかが いちばん、考えずに、楽しんで、読める作品だと思います。 逆に戦国時代に詳しいひとであれば、 とにかく考えずに読むことをお勧めします。 エンタテインメントとしては間違いのない一級品ですから。 一応最後に補足しておきますと、「史料を利用する」とはいっても 「絶対にありえなかったことではない」のがミソです。
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