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反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)
 
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反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書) (新書)

湯浅 誠 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

うっかり足をすべらせたら、すぐさまどん底の生活にまで転げ落ちてしまう。今の日本は、「すべり台社会」になっているのではないか。そんな社会にはノーを言おう。合言葉は「反貧困」だ。貧困問題の現場で活動する著者が、貧困を自己責任とする風潮を批判し、誰もが人間らしく生きることのできる「強い社会」へ向けて、課題と希望を語る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

湯浅 誠
1969年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。1995年より野宿者(ホームレス)支援活動を行う。現在、反貧困ネットワーク事務局長、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 クールでホットな市民的行動への誘いの書, 2008/6/5
 貧困はつねに隠されている。その存在は誰にとっても都合が悪いものだからだ。
 筆者は日本における貧困層の存在を、豊富な統計的なデータを援用しつつ、自らの支援経験もそれに重ね合わせながら、冷静かつ客観的に明らかにしていく。こうした説明によってこれまで見えなかった貧困問題が見えるようになった私は、まさに蒙を啓かれる思いがした。
 しかしそれだけなら「学者」にもできる。筆者の強みは社会からはじき出された人たちのさまざまな声に、ずっと耳を傾けてきた貴重な体験にこそある。それゆえ、この本で紹介されている多くの人たちの発言には、筆者の熱い思いが同時に込められることになり、単なる事例紹介を超えたある種の感動を与えるものになっている。
 最後の部分で筆者は、すぐにこの本が古びてしまうという代償を払って、反貧困運動の現状分析を試みている。それは日本の反貧困運動がまだスタートラインにすら達しておらず、いま多くの人たち(つまり、読者たち!)が自分にもできる市民的行動をしなければ、こうした運動自体が雲散霧消してしまうという危機感によるもののように思われる。
 強度の大きい橋は、最も弱い部分が補強されているものである。つまり筆者の言う「強い社会」を目指すのであれば、最も弱い人たちをその周りの人々が支えなければならないはずなのである。こうしたいわば当たり前の認識が欠如した社会には、たとえそれがどんなに経済的に豊かだと言われていたとしても、個人的には住みたくはない。この本を読んで、私は素直にそう思った。
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35 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 誰にでも人間らしく平等な社会を, 2008/6/22
環境から受ける要因を考えずに貧困は全て自己責任に帰結するのはあまりにも横暴すぎると思います。


「多くの資本を投下されたものが、望ましい効率性を身にまとい、市場で生き残り、そこで蓄積された富が次の効率性を生産する。企業は国からさまざまな優遇処置を受けて、子は親から高い教育費をかけてもらって、初めて市場的な優位を獲得している。

その結果、生まれた時からスタートラインが異なるという「機会の不平等」が存在し、セーフティーネットの崩壊と生活保証なき自立支援がそれに追いうちをかけている。」
P211より抜粋


貧困に陥りやすい要因をもって生まれて、なおかつ有名無実のセーフティーネット(あるにはあるが穴だらけで引っ掛からない)。
さらには貧困ビジネス(貧困層を食い物にしたビジネス)がより一層貧困からの脱出を困難にしている感じがします。

これでは滑り台社会どころか「落とし穴社会」 とすら思ってしまいます。穴の下に落ちれば、貧困ビジネスというアリジゴクが貧困からの脱出を邪魔しています。


一度道をあやまれば貧困まで一気に落下。
あげく貧困は子どもの教育機会を奪い、さらに貧困を継承させていく。

資本のない人には、人間らしい生活もさせず(水際作戦とかいう役所の対策により)、その子どもの未来までも奪う。

一体なにが自己責任なのでしょうか?


貧困家庭の子どもは、お金がなければ高い教育がうけられないので学びたくても学べず低学歴で社会にでなければならない。学ぶ機会をとり上げられた上、セーフティーネットには引っ掛からずに貧困を継承する。
さらにその子どもの世代も・・・


その子たちに向かって貧困は自己責任だなんて言葉を言えるハズがない。
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232 人中、197人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 貧しい人も「人」である, 2008/4/28
By 革命人士 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
暴論じみたタイトルだが、本書冒頭に登場する、貧しい人への役所、企業(驚くことに教会も)など世間の冷たい対応を読んでいて、いかに「貧しい人を人として見ない」この社会が冷たいかを感じた。本書の中には、生活保護申請の話が何度も出てくるが、申請者一人だと、役所の担当者に時に嘘さえつかれて一蹴される。申請を却下され、遺書に担当者への恨みをつづり自死する人さえいる。しかし、著者ら支援者が入ると態度が一変する。恥ずかしいことだが、自分を含め、貧しい人を下に見てしまう感情を多くの人がどこかで持っていて、知らず知らずのうちにそれが態度に出てしまう。当たり前だが、彼らも感情を持って、それをビビッドに感じ傷ついている。著者も言うし、以前から言われることだが「無関心」が貧困の最大の敵なのだ。

本書では生活保護受理がいかに厳しいか、体験談などを中心に展開しているが、私は貧困者を対象にした「貧困ビジネス」に強い関心を引かれた。中でも日雇い人材派遣のエム・クルー社のすさまじいピンはねぶりには驚いた。仕事は1万3000円で請け負っているのに、拘束10時間以上(実働8時間)で7700円、交通費、食費を引くと5000円あまり。休みなしで1ヶ月働いても16、7万円。タコ部屋みたいなこともやっていて、泊まれはするが、いろいろな名目で金が取られ、結局そこにいて働かざるを得なくなるというやつ。それでいて「再チャレンジを支援する社会的企業です」みたいな言い方をするから腹も立つ。弱い人を食い物にするなといいたい。

本の内容に劇的な面白さはないが、「反貧困」というメッセージはしっかり伝わってきた。
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