たとえば「反省しないアメリカ人」の章では、アメリカ人も反省はするがそれを表に出さないこと、謝る習慣がないこと、無意識に自己弁護することなどを指摘。アメリカ人部下には謝らせて責任を問うよりも、問題の原因を追究するという姿勢で臨むのが得策だとし、そのための英語表現を紹介する。
本書では、こうして読み解いたうえで、今度は「無口な日本人」「会議が苦手な日本人」というように日本人も俎上に載せる。1つの切り口から、会議の役割、信頼関係の構築、意思決定…と多彩にテーマを広げ、最後には雇用訴訟や従業員流出防止策などの実務的なトピックもカバーする。
これだけ日米の違いを考慮した有効な解決策を示せるのは、日米のビジネス文化やマネジメントに精通する著者ならではだろう。その、フェアで合理的な視点は好感がもてる。なにより「直属の上司の頭越しに訴えてくる従業員をどうするか」といった、知らなければこじれさせかねない問題の対処法を教えてくれるのが貴重である。
読んでいるうちにこれは、若い新人社員など「異質」に思える人材の管理にも通じることがわかる。異文化マネジメントのトレーニング書としておすすめだ。(棚上 勉)
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これはアメリカへ進出した日本企業が、現地社員とどう向き合っていくべきかについて指南する本ですから、そのすべてが私のように東京に身を置く者に有益とはいえません。それでも、日本人を相手にしたとき以上に部下を褒めることや言葉に出して感謝することが大切であることに、改めて目を向ける必要があるなと感じた次第です。とはいえ、頭では分かっていても日本生まれ日本育ちの身にはなかなか実行し難いものですが。
業務の依頼をするための表現や相手を上手に諭したり導いたりするための英語例文がいくつか掲載されていて大いに参考になります。必要に応じてyouではなくweを使って「ああなたと私とで共に考える」という姿勢を表す英語表現(Let’s talk about what we can do about this problem.など)は早速実践しています。
しかしその英語例文は本書をパラパラと読み返したときにすぐに目に飛び込んでくるレイアウトになっていません。先行する日本語文と明確に区分けするために改行や一行間をあけるといった工夫を施せばよかったと思います。
日本の本社の意向とアメリカ現地社員の苦情との間で板挟みになる日本人の立場を説明する文章として「正直に言えば私もなぜ彼ら(日本の本社)がこのようにしたいのか理解できないが、親会社のいうことには従うべきなのだ」という英語例文が掲げてあります。自動車会社のリコール隠しなど上層部の命令に端を発する大きな企業不祥事が目立つこのご時世に、こうした例文が紹介される点は大いに疑問を感じました。
私個人は先日アメリカ本社に出張の直前に購入、機内で読んで行ったおかげでいつもよりもアメリカ人の仕事の進め方が気にならずに協力的な気持ちさえもつことが出来ました。
英語が不得手なために誤解を招いて悩んでいる同僚にも勧めたところです。
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