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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
迷路な快感,
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レビュー対象商品: 反復 (単行本)
『反復』とは、回想が後ろ向きであるのに対して前に向かってなされる行為であるという意味、同一ではない「私」、複数の名をもつ登場人物、それは過去の作品からの人物であったり作者自身であったり、フィクション・ノンフィクション、過去・現在が入り乱れ自分がどこにいるのかもわからなくなり、振り返れば緻密に織りあげられた織物のように妖しい世界が広がって、《スフィンクス》に従える挑発的な女生徒の制服を着たブロンドの少女が現れる…、ロブ=グリエの「私」に呑み込まれ、はぐらかされる快感がたまらない一冊でした。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
反復される「新作」,
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レビュー対象商品: 反復 (単行本)
ベルリンへと向かう列車の中で、自分の座席のあるコンパートメントにやっとたどり着くと、そこには既にひとりの男が座っている。ゆっくりと新聞をおろした旅人の顔は、自分自身の顔だった……という冒頭をたとえば四十年前に読んだなら、目の前に広がる未知の小説に、警戒心と好奇心が刺激されただろう。けれども今、この場面を読めば反射的に思う。“なんだかロブ=グリエっぽい”。そしてまさにこれが、ロブ=グリエの「新作」の冒頭なのだ。己の作品を“反復”すること。ロブ=グリエのたどり着いた場所はそんな場所で、「去年マリエンバードで」の迷路のように、読者はロブ=グリエ的迷宮を歩き回ることになる。 しかし“反復”する「新作」とは?新作は常に新たな試みであるべきだという考えそのものが古いのか、それとも過去の小説に迷い込むロブ=グリエが古いのか、何とも複雑な気分で、オイディプス伝説を下敷きにしたB級エンタテインメント風の本作を読み終える。“だって父殺しをテーマにした小説なんて古いも新しいも世界中に溢れているじゃないか”とからかわれたような気さえする。 ただひとつだけ言えるのは、四十年前、同時代的にロブ=グリエを読み得た読者にとっては、B級どころか超A級エンタテインメントとなることはまちがいない。そういう幸せな読者に嫉妬する。
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