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反・幸福論 (新潮新書)
 
 

反・幸福論 (新潮新書) [単行本]

佐伯 啓思
5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

「人はみな幸せになるべき」なんて大ウソ!
「無縁社会」の何が悪いのか。
「遁世」も悪くない。
「ポジティブ・シンキング」はそんなに善いのか。
自由と民主主義が不幸せを生んでいる。
平等主義や格差是正などは欺瞞である・・・・・・。
豊かさや便利さを追求し、「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が、今、不幸の底に堕ちている。
東日本大震災、政権交代、「正義論」ブームや「孤独死」など、最近の出来事を、稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれた「この国の正体」があらわになる。
日本人が幸せを感じられないのはなぜなのか・・・・・・。
柔らかい筆致の中に、「禍福の真理」が詰まった至高の論考!

内容(「BOOK」データベースより)

無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ―。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。

登録情報

  • 単行本: 254ページ
  • 出版社: 新潮社 (2012/1/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4106104504
  • ISBN-13: 978-4106104503
  • 発売日: 2012/1/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.9  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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57 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
佐伯啓思氏の著作は15年ほど前から殆ど読んできましたが、今回初めて買わなきゃ良かったと思いました。著者は、間違いなく現代日本を代表する社会経済学者で、その主張の一貫性、倫理性、普遍性など、どの観点から見ても秀逸な分析・提案をしてきました。竹中平蔵などとは次元が違います。本書も3章ぐらいまでは、今までの主張の延長線にありますが、5章ぐらいになると、「幸福という強迫観念」などという概念を語り始め、従来のニヒリズム論をベースに宗教論を展開し始めます。この議論の前提となっている「幸福」の定義が明確にされていないために、筋が通らない箇所があちこちに現れます。無理して、トルストイを盛んに引用しますが、説明になっていなかったりします。8章冒頭の原発事故にいたっては、「人災なら防げるはずです」と主張します。本当に全ての人災は防げるのでしょうか? フランク・ナイトの不確実性は天災のみに適用されるものなのでしょうか?

どうも、本来の守備範囲でない宗教や原発分野に「領空侵犯」した結果、ボロが出たように見えてしまいます。著者の素晴らしい主張は、本書ではなく、本来専門の社会経済学の分野の本に見事に述べられていますので、そちらをお勧めします。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
他の人がいうように、全体に一貫性がなく、意味不明の箇所が多い書物です。
中盤以降はとくにごにょごにょしています。
しかし、そのごにょごにょした感じが面白いのが本書です。
他の学者なら全然だめだと切り捨てられますが、この著者であれば許しても良い。
ごにょごにょしているのはなぜか、それを考えるのが読者の楽しみです。
自分なりに論点を著者と一緒に考えることができます。
その意味で実に珍しい本となっています。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kawaski
日本の伝統的精神を考えさせてくれる大変興味深い一冊です。

〈はじめに〉で著者は以下のように述べています。(pp 7-8)

 本書では、今日の日本で起きた出来事を素材にして、今日の日本人が忘れてしまった価値につい て考えてみたいのです。日本の伝統的精神のなかには、人の幸福などはかないものだ、という考えがありました。むしろ幸福であることを否定するようなところがありました。少なくとも、現世的で世俗的で利己的な幸福を捨てるところに真の幸せがある、というような思考がありました。

そして、以下のような〈素材〉を扱っています。

・サンデル教授「白熱教室」の中の幸せ (第一章)
・「無縁社会」で何が悪い (第三章)
・人が「天災」といわずに「天罰」というとき (第六章)
・溶解する技術文明 (第八章)
・民主党、この「逆立ちした権力欲」(第九章)

たとえば、第六章には「日本人の自然観」について、以下のような興味深い記述があります。(pp 161-162)

 日本人のもっている自然観は西欧のそれとはだいぶ違います。自然にはどこか「おのずから」というニュアンスがついている。(中略)

 相良亨氏の指摘によりますと、「自然」という漢字をあてる時、これを「じねん」と読む場合と「しぜん」と読む場合がでてくる。「じねん」と読めば、これは今日の「自然」と同じような意味で、一方「しぜん」と読むときは、万が一の異常事態をさしたようです。(相良亨『日本人の心』東京大学出版会)

 このことが意味するのはどういうことか。(中略)両者は究極的にはつながっているのです。

そして著者はあとがきで、以下のように本書執筆の動機を述べておられます。(pp 252-253)

 (かぐや姫の「神田川」の歌詞「何も怖くなかった。ただ貴方のやさしさが怖かった」等に触れ)、「私には、今という時代は、あまりに「暗さ」や「哀しさ」を忘れた時代のように思われます。(中略)いわゆる日本的精神というものは、大方、この「哀」を軸にして展開してきたといってもよいでしょう。

 こういう次第で、「幸福論」というものには私はあまり関心がありません。しかし、また「不幸論」を書くほど「不幸」な人生を歩んできたとも思えません。そこで、いくぶんかは時代の風潮への批判的まなざしをこめて、「反・幸福論」を書いてみたいと思ったのです。」

著者は京都大学大学院人間・環境学研究科教授。幸福論をフォローしている私だけではなく、すべての日本人に読んでほしい価値ある一冊でしょう。
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