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著者は、フランス革命を典型とする人権概念の欠陥をつき、その特徴から(論理的には)導かれる昨今の風潮を批判する。お題目として濫用される人権の使われ方を批判する。が、人権の考え方そのものへの言及はフランス革命で止まり、以降の人権自体の歴史的整理はナシ。いきなり現在に至る。
著者の論理で注意すべき特徴は、一部の欠陥を指摘し、それを以って全てを否定すると云う形。この形は粗雑過ぎる。反証とは、こう云った形では不十分である。これは思考停止の典型例ではないか。人権の悔悟と反省の歴史を考えに入れず、一方的にお題目として使われる「人権」に責めを負わせている様に見える。
また、著者の引用は元の著作を知っているものにとっては、一部のみを引用し、著者の結論に結びつけたものが散見される。巻頭の引用がローマ人がゲルマン人を批判しているものなのに、ヨーロッパ人の特徴と結論づけているのと同様の粗雑さが、その後も散見されるのだ。その為、よく整理された人権概念の歴史的説明の割に、現実の風潮への批判や具体的課題への叙述は、説得力が薄い。もっとも、昨今の風潮として引用されるものの整理はキレイ(粗雑な結論がついているし、一部用語の粗雑な用法も気になったが)。私の読後感としては、よく整理されたお勉強ノートだが、実務を司る視野の広さと精密な論理(大人の運用)には欠ける書。読み易いだけに、一般読者だとミス・リードされそう。
法学部以外の方には知られていない事項を多く含み、人によっては目を開かせてくれる書物でもあろうが、吟味しながら読む事が必要な書物である。
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