帝国陸海軍の参謀15名の行動の軌跡を描き、彼らの人格と識見を客観的かつ分かり易く紹介しており、初学者にも大変読みやすい著作だと思う。また、本書は「参謀」について記述された早い段階の著作(1975年初版)であり、事後出版された他の「参謀」を扱った各著作に引用されたり、参考にされており、史料として信用できるものと思われる。(また本書内で本人たちにインタビューしたと思われる箇所が多くあり、大変貴重である。)
しかし、評価で星を一つ減点した理由として2つ。1つは、数いる参謀の中で本書の15名が何故選ばれたか理由が不明であったこと。2つめはただ15名を列挙して記述されているだけであり、彼らをタイプ別に分類して、最終的に参謀のあり方を述べていれば、更に素晴らしい良書となったに違いなく、残念に感じた。特に2つ目については、本書内の49・50ページに参謀の4タイプを論じて辻正信を分類しているのに、他の参謀を分類していないだけに強く感じた。
ただ本書は、各人の戦争という異常な空間での、そして作戦参謀として一番活躍できる空間での生き様を描写しており、「参謀」への理解が深まる書であると感じたのでお勧めしたい。