本書は防衛庁防衛研究所戦史部主任研究官である筆者が
戦前の参謀本部と陸軍大学校の組織論・教育論から
先の大戦に至る軍の構造的欠陥を詳述した書である。
もともと参謀本部は、政治の軍事への介入を防ぐために設置されたものだが、
伊藤博文や山県有朋など政軍両方を統括できる指導者が退いた後、
政治からの歯止めがきかない組織として残ってしまった。
また陸軍大学校の教育も高等用兵という戦術の研究に偏り
政略や戦略の研究が疎かだっただったにもかかわらず
その卒業生が参謀本部を牛耳ったため、戦争指導構想がまったく無かった。
その結果が敗戦となるわけだが、55年体制が崩壊した今、
政治からの歯止めのきかない官僚組織、国家戦略のない大学と
置き換えると、経済的にも再度敗戦するのではないかという危惧は
果たして行き過ぎだろうか?