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文章そのものは読みやすい本ですが、本人がおっしゃるように、最初の3分の1ぐらいで内容は尽きていて、残りは同じ話の混ぜ返し繰り返し……といった感じです。
文章の構成を考える、ポイントを3つに絞る、など、具体的なアドバイスは多少あるのですが、それと「原稿用紙10枚」との関連が見えてこず、全体論で話が終始したのが残念でした。
せめて、例題や、練習問題があればビジュアル的に「どのくらいの話題を何文字ぐらいで書いていくと原稿用紙10枚になる」というのがわかっていいと思うのですが。
10キロのマラソンをいきなり走るのは無理だが、トレーニングを積めば誰でも走れるようになる。10枚の原稿用紙を書くのもそれと同じだ、と齋藤はいう。
であれば、1キロを2キロ、2キロを3キロに伸ばしていく実践的なトレーニングメニューを提示してほしいところだが、本書にはそれがない。せいぜい、いきなり書き出さずメモを作れ、とか、引用して枚数を稼げ、とか、そんなレベルだから、迷える子羊は途方にくれるのみである。
さらにモーツアルトがどうとか、キムタクがどうとか、あまり意味のない例え話が多く、全体に大変中身の薄い印象を受ける。これじゃ原稿用紙を埋めるだけ紙の無駄、というと言い過ぎだろうか。
般若心経は原稿用紙半分ちょっとの分量だが、その知恵は数千年時をへて現代に残っている。
書くことの重要性については齋藤の意見に同感ではあるが、文筆を生業としない人にとっては、量をこなすことにさほどの意味はないような気がしてきた。言いたいことを簡潔に表現できる力、の方がよほど重要なのではなかろうか。
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