この前のこと。図書館で本を借りた。新刊ではないが、初めて見る本だった。読み始めたらおもしろかった。
その本を棚の前に置いた。……あっ!
後ろの棚にまったく同じ本があるではないか。そちらを手に取ってみる。ごていねいに最後まで読んで、あちこちに傍線まで引いてあった。
なんちゅ〜ことだ。1回読んだ本を完全に忘れてしまっていた。それも途中で投げ出したものではない。
こんな風に、本を読んでも忘れてしまう。
また、ある本を読んですぐ、このおもしろさを誰かに話してみる。ところが、うまく伝えられない。具体的にどんな風だったか、思いだせないことで、話がすかすかになってしまう。もどかしい。
こんなことでは、いかん! 本を読んでも身につかないなんて。何百冊、何千冊読んでも意味ないんじゃないか。
そこで本書・齋藤孝先生の「書く力」がとても役にたつと思う。
≪何かを語る時、たいていの人は具体的に語ることができない。単に「良かった」「悪かった」、「おもしろかった」「つまらなかった」と片付けがちだ。
全体を前にすると、何をとっかかりにしていいか、わからなくなるからである≫
≪何が良かったのか、おもしろかったのか、三つあげることによって、具体的に語ることができるようになる。二つだと、つながりが直線的になってしまう。誰が考えても同じようなものになる。
三つをつなげることによって、その人自身のオリジナルが出る。
三つ以上になると相互のつながりがわかりにくくなる。混乱する≫
「おもしろかった」で読書を終えるのではなく、
「おもしろかったことは何なのか?」から始める。そのことを考えてみる。思いついたことを書いてみる。そうすることによって、理解力が深まる。
「書く」ということは、「読む」ことと結びついているのだ。本当に本の内容を理解する。さらにそれを生かす為にも。
気に入った本を読みっぱなしにするのは、もったいないなあ。