樋口健二氏のこれまでの発表済みの写真と、福島第1原発事故の後の写真を合わせてハードカバーで発行した写真集です。
政府は福島の原発事故が「収束」したことにさせようと必死です。そして、停止した原発の再稼動を進めようとしています。「福島」以外では何もなかったことにさせられようとしています。しかし、そもそも福島で事故が起きる前から、原発は被曝労働という宿命を抱え、多くの人々の健康と生活を破壊してきました。原発問題には本質的な意味で「収束」はないのだと思います。
本書は、福島での事故とあわせて過去の作品を紹介することで、それを振り返らせてくれます。結局、原発から民衆が得たものは何だったのか。原発が必要だと言い続けてきた今の社会や私たちの生活・労働のあり方を省みざるをえません。私たちの出発点を、この写真集に収められている人々の姿に置かなければならないと感じました。