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37 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
背に腹はかえられない、というが,
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レビュー対象商品: 原発労働記 (講談社文庫) (文庫)
この本は、著者みずから原子力発電所に下請労働者として働いた、約1年間の記録である。この本の大きな特色を挙げれば、極端な告発のかたちをとっていないことであろう。しかし淡々とした記述がむしろ、原発での労働のおそろしさを生々しく伝える。 加えて、ここに描かれているのは、「腹を背にして」働くものたちの姿である。 「働かざるもの喰うべからず」を金科玉条に、私たちの社会では、原発での労働さえどこかで容認してしまう。しかし、こんな労働がほんらい、あっていいものなのだろうか。 新たに文庫化されるにあたって、巻末に著者が一枚の図表を載せている。これが示すのは、電力会社で被曝するのは圧倒的に下請社員であって、東電の本社社員の被曝量は着実に減少してきたという事実である。 ここでもまた、著者からの強い告発はない。しかし、ひるがえって、いままさに生じている現実に思いを馳せるとき、この本を読んで、わきあがる感情を抑えずにいられない。
39 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
『原発ジプシー』とは「似て非なる作品」,
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レビュー対象商品: 原発労働記 (講談社文庫) (文庫)
『原発労働記』とタイトルを変更した理由について、著者は「跋にかえて」で、「『原発ジプシー』と『原発労働記』とではやや似て非なる作品であることをお断りしておかなければなりません。(中略)例えば仲間の労働者たちの詳細であるとか、彼らがいだくさまざまな心情といったものについては、『原発労働記』ではかなりの部分削除しております」と書いている。31年前に読んだ単行本の『原発ジプシー』は、ずさんな放射能管理の下、放射能に蝕まれる原発下請労働の実態を白日の下に曝しただけでなく、各地の原発を渡り歩きそのような労働に従事せざるをえない「寄せ場」出身の日雇労働者に対する差別(そして被曝に対する差別)を、まさに「原発ジプシー」の呼称に込めて描いた作品であり、単なる「労働記」ではなかった。 原発がある限り、事故がなくとも定検で放射能に汚染されながら働く原発労働者は不可欠だ。その存在を、その存在に対する差別をあたかもないかのように隠蔽してしまうことに、あらゆる差別問題の原点がある。 他のレビュアーが「言葉狩りはきらいだが、本書のような内容の場合に“ジプシー”という言葉を使うことに少しだが違和感を覚える」と書かれているが、確かにここまで「除菌」されてしまった文庫版に「原発ジプシー」の呼称は使えないだろう。
38 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
内容は素晴らしい。しかしこういう商売のやり方は不快,
By TM - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 原発労働記 (講談社文庫) (文庫)
この本は同時期に復刊された『原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録』(現代書館; 増補改訂版版 (2011/5/25))とほぼ同じ内容である。こちらの文庫版では多少細部は省略されているが、決して「同じテーマで書かれた別の本」ではない。したがって予算が許せばいわば完全版である現代書館版を買えばよいし、コンパクトなものを求めるのならばこの文庫版を買えばよい。わたしは一人の著者が同じテーマで複数の本を書く事は批判しない。しかし、文章が一字一句まったく一緒の本を書名を変えてあたかも別の本であるかのように売ることは不愉快に感じる。 もちろん、往々にしてこうした硬派なルポが、そこに費やされた労力にたいして見返りが充分でないことは容易に推測できる。しかしそれとこれとは別の話である。 今回の震災以後の出版、とりわけ原発関連のいくつかの本は同様のあざとい商売をしており、正直うんざりさせられる。 なお、誤解のないように言っておけば、この本の内容は極めて重要なものである。わたしは現代書館版を先に読んだが、そこに描かれている原発労働者の実態には心底驚かされた。未読の方には是非お勧めしたい。必読と言っても過言ではない。だが、どちらか一冊で充分である。
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