ずばりお勧めします。
わたしは小出先生の政治的立場(本書の後半部分にはっきり打ち出してある)には反対です。しかしこの本は、そのような政治的立場を超えて読むべきだと思います。
放射線医学の専門家と自称している福島県立医科大の副学長さんは、低レベル放射能では大人にも子供にも影響ないと述べており、県内を講演をして回っています。手厳しい住民の質問にも知らんふり。福島県知事指し回しの運転手つき公用車です。世間にまだこういう醜悪な動きがあるのをみると、やはり、われわれ医師は、平凡ではあっても、より真剣に被ばくの影響を考えなければならないし、その危険性を患者さんに教える義務があるとおもう。患者に知識を与える診療はしてはいけないという臨床医もけっこういるのも事実ですが、最も安全な措置へ向かって前進する義務は、世間にもあるし、医師にも当然強くある。だから、被ばくの影響については、患者さんとともに謙虚に学ぶという立場を取るべき。そのための絶好の、考える素材です。
医学部の専門課程でも放射線医学というのはどちらかというと広島長崎の特殊問題みたいな雰囲気がこれまであって、学生にはチョオ不人気講義でした。いまでも必修になっているところは国立医ではないのではないでしょうか?
書かれていることは、あちこちの文献をかき回せば出てくるものが多く、チェルノブイリ関係のデータもドイツのサイトに詳しいものがあります。だから、全部が新味のあるデータとはいえないです。
しかし、まとめ方がわかりやすくしかも章建てからひらがな重視。
第三章(子どもたちが置かれた被曝状況)は、セシウム汚染と内部被ばくについて書かれています。福島では3月15日ごろから子供に鼻血がたくさん出ており、影響が心配されますが、これは管政権の犯罪ともいえるデータ隠ぺいが原因。3月13日にプルトニウムやストロンチウムが出たことがわかった時点で、はっきりとした対策(全員避難)をとっていれば、絶対に甲状腺がんの確率を減少できたはず。 第四章(子どもたちの健康被害)では、甲状腺がんと被ばくについて書かれています。おそらくほぼ間違いなく福島の子供は甲状腺がンが増えるでしょう。対策が急務。医師の側の努力がかなり必要。第五章は日常の生活のしかたで、被曝を少しでも少なくするために毎日気をつけるべきことなど。
そのほかの章は、小出先生の、ある意味での社会的政治的見解ですが、やはり原発という大きな利権で甘い汁を吸ってきた勢力は糾弾されるべきであり、即刻退陣すべきでしょう。
◆ 科学というのは、データの正しい解釈なのだということを知らしめる好著。
◆ データを正しく解釈するには、その分野の科学知識が十分でなければならない。福島原発事故のときTVに出演していたのはそのような十分の知識を持った人々だったのだろうか? いまも安全だと言い続ける専門家らは、はたして自らが原発野近くで暮らしてそこの水を飲むことができるのだろうか?
小出先生と黒部先生の議論は説得力あります。
一読されることをお勧めします。
そして、朝日新聞や毎日新聞の、管政権野田政権の見解である、「被ばく線量安全だ」記事をみるといいです。データを隠し続けた民主党政権内部の枝野や細野がまだ大臣やっていて、謝罪しますといいつつも、論点はずしをしながら、安全だ安全だと言い張ってるんですよ。東電だけの責任じゃない。
政治システムが、いかにでたらめかがわかるはず。