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原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録
 
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原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録 [単行本]

堀江 邦夫
5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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原発ジプシー 増補改訂版 ―被曝下請け労働者の記録 + 福島原発の闇 原発下請け労働者の現実
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

美浜・福島・敦賀で原発下請労働者として働いた著者が体験したものは、放射能に肉体を蝕まれ「被曝者」となって吐き出される棄民労働の全てだった。原発労働者の驚くべき実態を克明に綴った告発ルポルタージュ。

■本文ノーカット完全収録『原発ジプシー』は本書だけ!■
『原発ジプシー』(増補改訂版)は1979年刊行の旧版本文を完全収録した上で、新たな書下ろし「跋文」を収録するなど加筆修正を施しており、文庫版で消された事実も全収録しております。
加えて、やはり今回文庫では削除されてしまった1984年版の「文庫あとがき」も本書に掲載。
公表をためらわせるほどの実情を包み隠さず伝える肉薄の書!
隠された部分にこそ、著者が本当に伝えたい原発の問題点があります。

内容(「BOOK」データベースより)

人命を危険にさらさなければ維持できない「先端技術」。原発下請け労働者の視点から描写される放射能管理の実態。

登録情報

  • 単行本: 352ページ
  • 出版社: 現代書館; 増補改訂版 (2011/5/25)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4768456596
  • ISBN-13: 978-4768456590
  • 発売日: 2011/5/25
  • 商品の寸法: 19.2 x 12.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.9  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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117 人中、114人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
震災直後の「福島第一原子力発電所」の事故を受けて、久しぶりに『原発ジプシー』(講談社文庫、1984年発行)を
本棚から取り出しました。
文庫本を最初に読んだのは今から17年ほど前ですが、原発労働者の実態が赤裸々に記されていたので、
正直驚きました。

震災後しばらくしてから、その『原発ジプシー』が復刊されると知り、「この本がようやく日の目を見る」とうれしくなりました。
さっそくアマゾンで予約していたところ、昨日到着しました。

復刊された書籍の一番最後に書かれていたコメントを以下に掲載します。
〜ささやかな「付録」その二。このたびの東北地方太平洋沖地震が発生したその同じ月日、
すなわち32年前(1979年前)の3月11日、私はどこにいて・どんな体験をしていたでしょうか。〜

実際に、3月11日(日)のページを探してめくってみると、“衝撃の事実”が分かり鳥肌が立ちました。
「編集したのでは?」と思い、持っていた文庫の方を見てみましたが、“全く同じ記載”がありました。
実際に(希少と思われる)文庫本を持っている私がいうのですから、3月11日の記載は絶対に編集ではありません。

「少しでも多くの方にこの本の存在を知ってほしい」との思いで、初めてレビューを書かせて頂きました。
5つ星でも足りません。星を10個つけたい良書です。
著者の堀江氏が健在であることも分かり、うれしく思いました。
このレビューは参考になりましたか?
99 人中、96人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ワッフル 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
ついに復刊されました。著者が元気でいるのを知って安心しました。この本の後に目立った著作がなく、被曝の影響で病気になったのではないかと心配していました。

以下、旧版に書いたレビューを引用します。本文は旧版と同じです。

学部の学生の頃は原子力の未来に期待していました。この本は私が原子力発電に反対する立場を確信した一冊です。もちろん、人間は一夜にして考えを右から左へと変えるわけではありません。

大学院に進んで実験用の原子炉ですが管理区域に入って放射性物質を扱うことを体験しました。作業担当の人が意外と危険性を教育されていいないと知ったとき疑問を持ち始めました。その後この本を読み、その疑問が更に強くなり、原子力発電に反対する立場を確信しました。

著者の堀江邦夫さんが原発労働者として各地の発電所で働いた記録です。ページ数は多いのですが、文章も読みやすく描写も巧みで一気に読ませます。労働者に取材して書いた本もありますが、実際に現場に入らなければ書けない、自分の目で見た印象、自分の耳で聞いた仲間の声です。又聞きではない直接の体験に価値があります。

読み返してみて気付いたのですが、著者はシモーヌ・ヴェイユを引用しています。『工場日記』です。裕福な家に生まれ、優秀な成績で師範学校を卒業して教師となりましたが、労働運動に共鳴して弱かった体を押して工場労働者として働き、寿命を縮めることになりました。著者がこの本を書いた動機の一部は彼女の日記だったのかもしれません。

私が原子力発電に反対する一番大きな理由は、第一線で作業する人たちの健康です。下請け、孫請け、ひ孫受け。著者はひ孫請けの会社で働いていました。法律で決まっている安全教育も名ばかり。マスクの正しいつけ方さえ教えません。体内被曝で一番恐ろしいのは吸引です。口から入ったものの多くは下から出ますが、肺に入ったものは出ません。現場は暑くマスクは呼吸が苦しく言葉で指示も出来ません。結果として外して作業する人が多くいたそうです。また、電力会社の社員は危険な現場にはほとんど立ち入りません。労働組合が、作業衣の洗濯は被曝量が多くて危険な作業だから外注してほしいという要求を出したそうです。

現代の人間は共食いをしませんが、他人の健康を犠牲にして自分の便益を得るなら共食いと同じです。

この増補改訂版では、文庫のあとがきと、改訂版のあとがき、さらに追記が加わっています。個人的には事実を積み重ねて行く本文だけで十分著者の言いたいことは伝わっていると思います。ですが、ジプシーというタイトルは説明しないといけないのかもしれません。

この本を読めば誰も原子力発電に賛成とは言わないと思います。原子力は人間の命を電気に変える発電です。一人でも多くの人に読んでほしいと思います。

[追記]
この本と似た内容の本があります。文庫で出ている『原発労働記』です。ジプシーという言葉は問題があると出版社は考えたようで書名が変えられました。また、内容も、文庫の分量に合わせるためか同様の問題があるのか、一部が削られるなど著者は妥協を強いられています。著者が本来書きたかったことをそのまま復刊したのがこの本です。

また、シモーヌ・ヴェイユの『工場日記』は復刊の要請が多いようですが、実は『労働と人生についての省察』に全文が収録されています。ただし、日記ですのでヴェイユの思想に相当興味がないと退屈かもしれません。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By La dolce Vita トップ50レビュアー
最新の科学技術を駆使した筈の原子力発電所だが、実際その定期的なメンテナンスでは人間の手作業に総てを頼らなければならない。しかも放射能汚染の恐怖に曝されながら働くのは電力会社の正社員ではなく、下請けのまた下請けがピンハネして雇い入れる、原子力や放射能汚染に疎い、いわば使い捨ての日雇いや季節労働者達だ。本文中でもレポートされているように正社員と彼らの間の差別待遇も公然として行われる。労働条件は過酷で重装備の保護衣、二重の手袋やマスクでがんじがらめにされた体では、とてもまともな作業ができない。だから現場では線量計のアラームを無視することや、息苦しいマスクを外すことも暗黙の了解で行われる。著者自身もたびたび体の不調を訴えて作業場から一時的に離れたり、病欠を繰り返した。

この日誌が福島第一原発事故の30年ほど前に世に問われていたことは注目に値する。しかしその当時、事の重要さを今ほど深刻に認識した人がどれだけいただろうか。私自身この本の存在すら知らなかった。そしてこれこそが国が推進している原子力産業の見えない実態だということに初めて気がついた。著者が肋骨を折る大怪我に見舞われた時、東電への配慮から労災保険は断念させられた。だがその分の賃金を保証した下請け会社も倒産する。福島第一の敷地内にはしらじらしく「無災害150万時間達成記念」という碑が建てられているという。ここではまた単なる原発の暴露本としては片付けられない、日本の社会的な病巣があらわになっている。堀江氏の主張が正しいとしても、労働者の大多数が個人の生命よりも会社の存続を優先するのであれば、彼の孤軍奮闘で終わってしまう。そうならない為の努力が今私達に問われているのではないだろうか。最後に、身分を隠して現場に乗り込み、下請け労働者と苦楽を共にしたジャーナリスト堀江氏に感謝したい。そうでもしなければ彼らの実態は今もって世に出ることは無かっただろう。
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