不屈の研究者、小出裕章氏の震災後の著作第二弾ですが、本作でも堅苦しさを取り払い、これまで原子力に関心のなかった一般の
人々に対して、国民が是非知っておかなければならない重要な項目を親しみやすい記述でわかりやすく述べられています。
特に今回印象に残ったのは、序章の研究者への道を捨て、とび職として糧を得ながら反対運動を続けられる、小出氏以上に厳しい道
を選択されたご友人の話です。表題は小出氏がそのご友人に約束された言葉ですが、40年間その約束を守り続け、今回の事故につ
いても政府筋が事故を矮小化すべく情報操作に躍起になる中、研究者としての良心と信念に基づいた厳しい見解を一貫して述べてこ
られました。そのため“煽り学者”と誹りを受けることもしばしばです。
しかし、さる7/27(水)に衆院厚生労働委員会にて東大アイソトープ総合センター長・児玉龍彦氏による命がけの、まさに鬼気迫る意見
陳述が現在YouTubeで沸騰しているとおり、放射能汚染や内部被曝の深刻さが改めて浮き彫りになってきました。政府や電力会社は
「破局事故を想定するのはナンセンス」としてなんら対策をとらず大きな悲劇を招いたことを反省し、内部被曝に関しても将来最悪の事態
が起きた場合を想定し、最善のケアができるようしっかり準備を進めてもらいたいと強く思いました。
また、あとがきで小出氏が懸念されるように、再稼働に向けて様々な動きがはじまっているようです。なかには喫煙や携帯の電磁波と、
原発のリスクを同列に論じる乱暴な意見も見かけますが、タバコの広告には「喫煙は肺ガンの原因になります・・・」という注意書きが
大きく入っています。携帯にも「過度の使用は脳腫瘍等の原因となる可能性があります・・」と入れてもよいかもしれません。当然、原発
を再稼働するならば、電力会社の広告には「原発は一度の大事故で国土を失う危険と常に隣り合わせです」と大きく掲載すべきではな
いでしょうか。これほどの大惨事の後に再稼働するならばそのくらいの覚悟を国民全体で共有すべきだと思います。
最近、本書にもたびたび引用されている小出氏の盟友、故瀬尾健氏が著された
原発事故…その時、あなたは!が再刊され入手できるよ
うになりました。巻末に発刊当時、小出氏が寄せられたメッセージが載っていますが、単なるガイド書の域を超えた、原発の恐ろしさを忘
れないための大変貴重な書籍だと思いますので、是非併せてお読みいただければと思います。