なぜこうまで違うのだろうか?今、地震・原発関連と「はやぶさ」関連の本を集中して読んでいる。原子力技術者と宇宙開発技術者とでは危機管理の考え方がまったく違うレベルにある。私も会社で品質管理、工程管理に関わっているので東電の対応のまずさ(酷さ)は不思議でならなかった。普通の民間企業ではありえないことだ。
東電は、3月12日にメルトダウンしていたのはわかっていたはずである。なぜなら格納容器の温度が400℃の状態で長時間海水を注水すれば、金属が急速に腐食し、溶接部分に割れが発生することぐらいわかりきったことだからだ。だから平然と3月28日まで注水し続けていたのだろう。
自前で放水車を持っていないことも考えられない。ロボットもしかり。「はやぶさ」では、予備エンジンまで故障して推力が得られなくなったが、4基あるイオンエンジンの使える装置を組合せて動かし、地球に戻ってきた。そういう組合せができる電気回路を組込んでいたからだ。「発電所の全所停電は絶対に起こらない」ということにして、起こらないことは想定外で済ませてきた電力会社とは大違いである。
小出氏の「核のゴミは誰にも管理できない」という指摘は、真摯に受け止めなければならない。原発を造れば電力会社が儲かり、事故を起こせば国民が負担するカラクリに愕然とする。菅首相が浜岡原発を停止し、原子力政策見直しに動いた途端、政財界・マスコミ挙げて菅首相降ろしに動いた。無知・無関心がこうした事態を招いたと考えるなら、私たちにも大きな責任がある。100万年後の子孫にまで負の遺産を残してはならない。そのためにも一人でも多くの方に読んでほしい。
8月12日追記
8月3日、とうとう原子力賠償支援機構法が可決された。これで誰も原発災害の責任を負わず、東電も生き残る。被災者が賠償請求すればするほど加害者ではなく被災者自身(全国民)が負担することになるのだ。かつて雪印乳業が偽装事件を起こし、社会的制裁を受けて解体した。それと比較にならないくらい大きな事故を起こしながら東電は守られるのだ。このような政治がまかり通る日本にしたのは私たち自身である。私たちは当事者なのだという自覚・覚悟が必要だ、決死隊に参加する小出氏のように。