本書とほぼ同時に発売された、
小出裕章が答える原発と放射能と同様、楽観的な内容は全く含まれていない。
冒頭、ドキュメンタリー映画監督の鎌仲ひとみ氏との対談では、Q&A形式ではなく、小出助教のより生々しい気持が伝わる。
「(福島原発事故が)夢であってほしいと思った」という言葉に、その気持が端的に表れている。
とにかく、世界はもう変わってしまった。福島第一原発から拡散した放射性物質は世界中に及んでいて、
地球上で被曝から逃れることができる場所は、最早、存在しない、という覚悟を決めなければならない。
知りたく無いが知らなければならないことが、強調されている。
それは辛いが、はっきり認識すべきことなのだ、という現実が分かる。
今や周知の通り、小出助教は1970年から反原子力を訴えていた方であるが、
本書後半には、小出助教が1990年代、2000年代に書かれた文章が掲載されていて、このころに
全く原子力問題に関心を抱いていなかった自分の不明が恥ずかしくなる。