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原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット)
 
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原発と日本の未来――原子力は温暖化対策の切り札か (岩波ブックレット) [単行本(ソフトカバー)]

吉岡 斉
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

原子力発電は、「危険」なものから一転、温暖化対策の切り札として「クリーン」なものへとイメージチェンジを遂げた。14基の新設が見込まれ、インドへの輸出が決まり、プルサーマルがはじまる。再処理は、最終処分場は、そして環境負荷は。多くの課題を抱える日本の原発政策およびエネルギー政策を問う。

内容(「BOOK」データベースより)

温暖化対策のため、CO2削減の切り札として、一躍クリーンにイメージチェンジを遂げた原子力発電。再処理、最終処分、低稼働率、地震災害など、国内に多くの課題を抱える一方、インドやベトナムなど海外への国策的輸出がめざされている。その政策を問う。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 64ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/2/9)
  • ISBN-10: 4002708020
  • ISBN-13: 978-4002708027
  • 発売日: 2011/2/9
  • 商品の寸法: 20.6 x 14.4 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (13件のカスタマーレビュー)
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 原子力発電の(1)世界的な状況、(2)日本での停滞、(3)日本の原子力政策の不条理 について述べられています。

 いずれも具体的数字を出して、論理的に話を進めています。
 例えば(1)について、原発は1970-80年代に盛んに作られたが、チェルノブイリ事故以降は建設が停滞していることですとか、欧米諸国では停滞している一方で、新興国では建設計画が進んでいることが語られます。
 (2)では日本には54基の原発があり、世界で第3位の総設備容量になるが、その利用率は欧米と比べると著しく劣ることや、日本が進めるプルサーマルのコストが非常に高くつくこと、などが語られます。一方で、なぜプルサーマルや高速増殖炉を開発してきたのかも述べられています。
 (3)では日本の原発は手厚い政府の保護の下で行われていたこと、具体的な金銭的支援についても言及されています。よく言われている「原子力発電は温暖化対策になる」という言葉の矛盾についても語られています。すなわち、原子力発電を縮小しつつある欧米諸国で温暖化ガス排出が減少しているのに、(原子力発電を推進する)日本ではむしろ増えているということです。

 私も「原子力発電は温室効果ガスを減らすための切り札」と信じていました。しかし、この本を読んで、むしろ原子力発電所は縮小すべき考えるようになりました。

 本は薄く簡単に読めて、値段も安いです。議論も平易でわかりやすいです。一読する価値のある本だと思います。
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15 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By lega-sy
私が本書を読んで感じたのは、脱原発の本質は政策的な「選択」ではなく、資本主義経済の下での「必然」ということだ。原子力安全委員も務めた著者が、原発か必要か否かという「結論」を先に立てて議論するのではなく、経済的な視点から、原子力発電の行き詰まりを分かりやすく説明している。非常に合理的な思考のできる人物だと感じる。
発行日は2011年2月8日であるものの、まるで3月11日以降の出来事を見越しているかのような内容である。しかし、3月11日以降の事故とその後の経過が含まれていないだけに、逆に感情的なバイアスなしに原子力発電の近年の状況や今後の見通しが冷静に説明されており、説得力を感じる。
これからも原発が必要だという立場の者も、もう原発は要らないという立場の者も、双方が自らの見解を検証し、考えるために読むべき一冊だと感じる。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
最近の原子力発電をめぐる情勢(3・11以前)についてよくわかる。書いているのは、一応脱原発路線を主張しているが、自身、内閣府原子力委員会専門委員や経産省総合資源エネルギー調査会臨時委員などを歴任され、科学技術が専門の九大副学長の吉岡斉氏である。そんな方なのに原発の危険性、不経済性から早急に脱原発の道を進むべきという主張には共感できる。原発推進をしている国は、京都議定書を全然守れず、二酸化炭素排出が多かったり(アメリカ、日本、フランス)反対に脱原発路線の国(ドイツ、スウェーデン、イギリス)は二酸化炭素の排出削減に成功しているなんて記述も興味深い。原子力ルネサンスは虚構だし、東電の原発事故後のことを考えれば、原子力は過去のものになることはもはや明白である。その前に私たちには放射能汚染のこの難局をどう乗り切るかがあるけどね。
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