新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発事故のルポルタージュ
新潟日報社特別取材班が書いた渾身の一冊。
本書を読んで、まず驚かされたのは第3章の「封印された活断層」の章。
柏崎刈羽原発の周辺海域にはいくつもの「活断層」が眠っていたという事実を把握していながら、東電は公表もせず、報告を受けた国も黙認をしていたという。
2007年に、東電が活断層の存在を公表した後、巨額の寄付を新潟県知事に申し出ている。
東電の「寄付を活断層公表の日にぶつけた」姑息なやり方に憤りを感じた。
また、第4章では「なぜ未開の砂丘地に」では、原発建設地誘致活動と大物政治家が絡んでいる件が書かれている。
第5章では「四国電力」は、原発周辺海底調査を既に70年代に2度行っているのに、東電は海底調査を実施しなかったという事実にも驚いた。
また、東電と国の癒着ぶりも明らかにしており、国側が法廷で「存在しない」と証言していた文書「柏崎刈羽原発の安全審査担当の専門部会の議事録の写し」等を、「東電」が所有していた事実も怖ろしい。
柏崎刈羽原発が、東電にとっては「ドル箱」であり、その再開を期すための「寄付」という思考自体に震撼した。
その他「被災住民の思い」「取材班からのメッセージ」など、興味深い記事が多く掲載されている。