なるしまさんの作品は、あまり細かいところまでの絵はお上手ではないと正直思う。その反面、場面における構図の取り方、登場人物の表情の表現に関しては天才的だ。そして、その表情を更に彩るのが、洗練された台詞である。少年魔法士などに比べれば落ち着いた展開を見せている原獣文書だが、この巻はインターミッション的位置にあり、登場人物がこれまでの行動を振り返ったり、一人で考え込んだりするシーンがやたらに多く出る。この巻を読み終えた後、なるしまさんのあまりの才能に愕然としたものだ。今までどの漫画を読んでも感じ得なかった感覚を得ることが出来た。少年魔法士に比べれば知名度も低い話の上、特に重要とはされないこの四巻。だが、自分の中ではかなり大きな位置を占めている巻である。是非一度目を通してみてはいかがか。