日本の敗戦の原因は、希望的観測のみを語り現実から目を背けた陸・海軍高級将校と官僚・政府にある。さらにそれに追従する者だけが利益を得る国体にあったと言う。2011年の東日本大震災による福島第一原発の被害とだぶらせ、原爆投下がなぜ防げなかったのか、多くの事前情報を掴みながら、なぜ広島や長崎の市民に知らせられなかったのかを厳しく糾弾している。
長崎に投下されたその当日、米空母が捕虜救出のため日本の水先案内船に導かれて長崎湾に入り、上陸していたという驚くべき事実が紹介されている。
原爆開発は英・米共同で行われたため、投下に当たってチャーチルもトルーマンも事前に3回警告した上で行うとしていたが、米軍が無警告を主張したため、日本の一部のグループとだけ隠密に終戦交渉することにしたと言う。だから一般国民は警告を誰も知らない。
原爆投下を米軍首脳は「もはや不要」と主張していたが、陸軍長官スティムソンの暫定委員会が既に投下を決定していたため実行されたと言う。しかし原爆が想像以上の破壊をもたらしたため、アメリカは戦後一転して「日本の降伏を達成するため投下した」と主張するようになった。
当時非人道兵器として毒ガス兵器は禁止されていたが、原爆はそれ以上の非人道兵器なので、それを最初に使用してしまったアメリカは、未来永劫その罪を問われなければならないだろう。私を初め日本人は決してそれを許さない。