ルーズベルトとグルーは原爆を落とす前に日本との戦争を終わらせたかった。
しかしルーズベルト死後、後を継いだトルーマンとバーンズは原爆の威力を
世界(特にスターリン)に知らしむるために、ポツダム宣言を外交文書と
日本に思わせない姑息な手段を使ってまで日本を降伏させないようにして
最後に無警告で都市に使用したという日本人には読むのがつらい内容。
この説は前からあったし、確かに状況証拠はそろっている。
でも、もう少し新しい証拠が欲しかった。それが無いのでどうも最後の
説得力が弱いような気がする。
但し原爆使用のアメリカ側の言い訳、「百万の連合軍兵士を救うために
やむを得ざる使用」を木っ端微塵に打ち砕いているところは価値あり。
それしてもここに書いてある7月で戦争が終わっていたら、その後の
歴史はどう変わったのだろう。
朝鮮半島分断は無かったろうし、中国内戦の結果も変わっていたかもしれない。
ただ作者が述べているとおり、アメリカ大統領は別のどこかで核兵器使用はしただろう。
結局人間は自分の目で見ないと悲劇も喜劇も現実のものとして認められない
悲しい生き物なのだ。
スティムソン初め大統領以外のアメリカ政府関係者は無警告使用に反対していた
というのが唯一の救いかもしれない。
広島・長崎の犠牲者は人類全体を核の恐怖から人類を解放する殉教者だったということか。
改めて黙祷を捧げたい。