~発想がすばらしい。私は、絵画の鑑賞は、実物を見るのが唯一の方法だと思っているが、さらに踏み込んで、その作品の想像の秘密に迫ろうとすると、たとえば、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」や「春」を、イタリア、フィレンツェのウフィツィ美術館で見たとしても、ガラスかアクリルの透明な板を通して、せいぜい2メートルぐらいまでしか近づけない。ま~~してやヴァティカンのシスティナ礼拝堂の天井に描かれた、ミケランジェロの「天地創造」などは、遙か下から仰ぎ見ることしか出来ない。これらの絵を含め、その部分を実寸大で見ることの出来るこの画集は、印刷物の機能を最大限に生かしている。この画集を見ると、レオナルドが、「最後の晩餐」を「モナ・リザ」と同じ技法で精細に描いていることが分かる。
~~もう一つのこの画集の良いところは、絵の大きさの違いを知ることが出来る点にある。同じフェルメールの「レースを編む女」と「牛乳を注ぐ女」ではサイズの大きな違いがあることが実感出来る。
私は画集をほとんど買わないが、この「原寸美術館」は、新聞の紹介記事を読んで、直ちに買うことにした。買ってみて、期待を裏切らない、すばらしい画集である。~