冒頭ニューメキシコでの実験成功の記録から始まり、筆者が初めて見聞きした原爆炸裂の記録へ衝撃、その原理が核分裂と云う現象を応用した事に触れます。ラザフォード実験からキューリー夫人、リーゼ・マイトナー博士やプランク、そして湯川博士の中間子理論などを紹介し、核分裂から中性子の発見へと丁寧に解説が続きます。フェルミの中性子照射による物質の放射化から人口放射能・遅速中性子が紹介され、ウラン235の核分裂から連鎖反応が発生する事を突き止め、『ボーア・ホイーラー核分裂理論』なる体系的理論に言及します。
次のステージ『ウラン濃縮』では、まず熱中性子や二次中性子の確認など中性子の挙動について詳しい理論を記載しています。『フリッシ・バイエルス覚書』では臨界質量を解説し、世代数、起爆装置、原爆の破壊力について解説が進行します。『人工元素プルトニウム239』発見で期が熟したとみたアメリカ政府は濃縮ウラン製造とプルトニウム生産の研究拠点をシカゴに集中させ、材料さえ揃えば原爆は製造可能だと結論づけられました。
終盤、原爆研究所所長オッペンハイマーが建てたロス・アラモス研究所に若い科学者たちを集めて進めた課題解決、情報交換、イギリス原爆開発部隊との合流等による作業進行を述べています。考案された2種類の原爆ガンタイプ(ウラニウム型)原子爆弾とインプロージョンタイプ(プルトニウム型)原子爆弾の構造と動作原理を詳しく解説しています。トルーマン大統領の命令が下り、科学者達がはじき出した原爆破壊力がついに現実のものとなりました。改めて広島、長崎で被爆し亡くなられた方のご冥福を祈ります。合掌