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原子力  その隠蔽された真実 人の手に負えない核エネルギーの70年史
 
 

原子力 その隠蔽された真実 人の手に負えない核エネルギーの70年史 [単行本]

ステファニー・クック , 池澤夏樹 , 藤井留美
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,415 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

「フクシマで起こったことはすべて既にどこかで起こっていた。
本書は人類が核エネルギーを手にしてから現在に至る歴史の本である。ここで現在というのは我々が3・11を経験したいまということで、以前と以後では我々日本人のこの本の受け取りかたは大きく違うだろう。しかし、それはそれとして、マンハッタン計画以来六十数年の歴史そのものは事実としてそこにあった。我々が注目しなかっただけだ。この歴史は陳腐な愚行の繰り返しである」 ――池澤夏樹(解説文より)

人はいかに、なぜ核の扱いに失敗してきたか。
ヒロシマ、ナガサキに始まり、3・11フクシマへと至った愚行の歴史を、気鋭の米ジャーナリストが精緻に辿る。
原爆がつくられたほんとうの理由、核の「平和利用」の嘘、国際原子力機関の正体、スリーマイル、チェルノブイリ事故の詳細レポート、語られざる原発事故の数々……。エコノミスト誌で絶賛されるなど、欧米を中心に話題を呼んだ大著、待望の邦訳版刊行!
日本版特別章として「3.11巨大地震の襲来」を書下ろし収録。

「過ちを犯しやすい性質をもつ人間が、原子力テクノロジーを適切に扱うことができるのか。本書はこの質問に最も見事に答えを出している」
――フランク・フォン・ヒッペル(プリンストン大学教授)

「核の問題点と可能性について、著者の科学的知見に人間ドラマを織り込んだ最高級の読み物。浮かび上がるのは“期待”が“発見”につながり、やがて“不運な出来事”が起きて“約束”は破られる、というサイクルだ。この危険をよく理解しなければ、過ちは繰り返されるだろう」
――エコノミスト誌

内容(「BOOK」データベースより)

原子力問題を追いつづけるジャーナリスト、30年に及ぶ徹底調査の集大成。核と原子力をめぐる最も根源的な本。緊急書き下ろし!福島第一原発事故を分析した「特別章」収録。

登録情報

  • 単行本: 368ページ
  • 出版社: 飛鳥新社 (2011/11/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 486410123X
  • ISBN-13: 978-4864101233
  • 発売日: 2011/11/11
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くま
 前書きから。
 『事故の理由を問うのは、なぜ地震と津波でこれほど広大にして長期にわたる被害を出すような施設があそこにあったか、その点を問うことと同じである。そこには長い過去がある。我々はこの惨憺たる結果を生むに至った原因を一番最初までさかのぼってみなくてはならない。
 話の始まりはヒロシマとナガサキで暮らしていた人びとの上に落とされた原爆である。核エネルギーという新しい技術の開発にかかわった科学者と技術者は、自分たちが作ってしまったものの威力におびえた。戦争が終わった段階で全てを無に帰してしまいたいと思ったものもいた。
しかし、一度作ってしまったものを消滅させることはできない。
そう言う時期に「核エネルギーの平和利用」が提案された。関係者は心の内なる罪悪感を手伝って、その実現に力を貸した。一見したところ悪魔と思えた子が天使を連れてきたと知って喜んだ
しかし実際にはこの双子は二枚の仮面をかぶった一つの人格だった。どうやっても切り離せないのだ。天使は実は悪魔だった。そこのところを隠蔽して育ったから、原子力にカンするテクノロジーは秘密の多い、非民主主義的で市場原理にも反する、ひどく不健全な育ち方をした。
 自分たちの倫理能力を超える者に手をつけてしまった人間たちの苦悩と敗北のあとを著者とともに辿って欲しい。』

 なぜ、内部被曝の被害を政府が無視するのか。明らかな人権侵害が起きているのに国際機関が沈黙し続けるのはなぜか。本当の黒幕はだれなのか。

 それを知らない限り、何もわかっていないのと同じこと。この本は、是非読んで欲しい
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
エネルギー問題を語るとき、「私たちが必要とする電力を補うには原子力が必要不可欠」という前提を押し付けられてきた。
すなわち、次のような2択だ。

「原発を認め、現在の便利な暮らしを享受し続けるか。
 さもなくば、原発をやめて、パソコンもテレビも捨てるか」

後者は実際選びようがなく、反対意見のある者も原発を受け入れて暮らしてきた。
それが大嘘だということが、本書でわかる。

原子力ありき、は刷り込みなのだ。日本を含め、原発を導入した国が欲しかったのは核兵器だ。
あるいは、原発を保有し、「核兵器をいつでもつくれる」と見せる、いわゆる「核抑止力」だ。
本書ではその軌跡が原爆の開発にさかのぼってわかる。
しかも、単なる資料の羅列ではなく、人間ドラマをからめてスリリングな読み物となっている。

最初の問いに戻るが、実際は、便利な暮らしを捨てず、原発も使わない道があるかもしれない。
それなのに、そんな選択肢はないかのように見せかけられてきたのだ。

代替エネルギーについては問題点ばかりが指摘されているが、原発の問題点と比較になるだろうか。
代替エネルギーにはチャンスが与えられてこなかった。
大いなるチャンスを与えられた原発の末路はどうだったか。

原発の賛否を考えるうえで、持っていなかった視点を得ることができた。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
2009年にアメリカで発行。福島原発事故をうけて加筆された本書はまことにタイムリーであるといえる。本書をよめば、なぜ原発事故にはこんなに隠蔽が多いのかについて、すっきりとした見方ができるようになる。つまり、核エネルギーは核兵器と本質的にまったく一緒の「軍事技術」であり、秘密にあふれたそれは民主主義とは相容れないということだ。

ちょっと前までスリーマイルは、作業員がまったく考えられないミスを起こしたものだし、チェルノブイリはソ連の設計ミスによるものだから、わが国の原発では起こりえない事故だと堂々と論じるひとがいたものだ。(まだいるのか?)

部分的にはそういうこともあるかもしれないが、設計の手抜きも、日常の検査も秘密につつまれ、事故が起きてもひた隠しにされる「軍事技術」である、という本質はわが国となにもかわらない。いってみれば、原子力という技術は最初から「病気」にかかっていたといってもよい。まったく健全ではないのだ。

原子力の発見から原爆投下、原発の稼動から現在に至る歴史を丁寧に追うことで、この「病気」ははっきりしてくる。
そして、これだけの事故の起こしても、いまなお脱原発への道は容易ではない。それは、核エネルギーは強力な武器であり、だから、どこの国でも「巨大な原子力産業」は権力そのものと化しているからである。
権力者自らが、これを手放すことはありえないのである。
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