30年以上前に出た本ですので、データはじめ内容は現代的ではありませんし入門書とはいえないかもしれませんが、草創期から原子力に携わってこられた方ですから却って歴史的事象としての価値があるとおもいます(かの岩波の青版なので、ジャーナリステックでも軽薄な内容でもありません)
そして今日この本の筆者のような良識ある科学者がいなくなっている、いやそういう意見に素直に耳を傾けなくなっている今の社会状況を危惧しています。不幸にしてというか当然の結果?として筆者の予測は的中し世界史に残る原発事故がここ日本で起ってしまうとは。
この本で原子力に関心を持つようになりましたし、知れば知るほど何と非効率な馬鹿げたシステムだろうという感じがしてなりません。
核分裂はウラン純度を上げて一気に爆発させる原子爆弾こそ最適であって臨界状態をちょろちょろ継続して、熱で水をお湯にしてタービン回して電気を取り出すなんて面倒なことには本来向いていませんし、原子力発電やるなら100年位かけてじっくりと安全で完全なシステムを構築すべきでしたが、もう時既に遅しです。
原発動かせばイヤでも出来てしまう死の灰からプルトニウム取り出し、それを原料にしてそれを危険極まりないナトリウムを減速材とし、原料=プルトニウム!を鼠算式に増やせば資源のないわが国でも千年以上も原子力発電だけでエネルギーの心配しないですみますよ〜、なんていうおとぎ話のような高速増殖炉にもう何兆円も使ったなんて。沸騰水型の原発さえまともに動かせない(制御できない)のに、高速増殖炉なんて千年早いですよ。それならまだ核融合開発(原発より遥かに安全!)にお金使ってほしいです。それに未だに撤退していないのはこの日本だけです。いちばん腹が立つのは勿体無くもその発電所に仏様の名前を冠するなんてかのオームさえ思いつかなかったでしょう。
この高速増殖炉で万一直下型の大地震が起こったら、福島第一の比ではないそれこそ未曾有の大事故となるでしょう。
今求められるべきは「辞める勇気」を持つことでしょう。一刻も早く日本から原発が無くなる日をねがいつつ...