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原っぱと遊園地―建築にとってその場の質とは何か
 
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原っぱと遊園地―建築にとってその場の質とは何か [単行本]

青木 淳
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,100 通常配送無料 詳細
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合計価格: ¥ 4,200

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

あらかじめそこで行われることがわかっている建築(遊園地)から、そこで行われることでその中身がつくられていく建築(原っぱ)へ。潟博物館、ルイ・ヴィトン表参道、青森県立美術館、並びにH、Sなど一連の住宅で、今最も注目されている著者の初めての建築論集。

内容(「MARC」データベースより)

あらかじめそこで行われることがわかっている建築(遊園地)から、そこで行われることでその中身がつくられていく建築(原っぱ)へ…。ルイ・ヴィトン表参道等で注目の著者による建築論集。写真、自筆スケッチ多数収録。

登録情報

  • 単行本: 237ページ
  • 出版社: 王国社 (2004/10)
  • ISBN-10: 4860730259
  • ISBN-13: 978-4860730253
  • 発売日: 2004/10
  • 商品の寸法: 19 x 12.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:単行本
本書の内容を簡単に紹介するには、目次を挙げるのが最も分かりやすいと思う。

1.そこで行われることで中身がつくられていく建築
2.別々のことをしている人たちが時間と空間を共有する
3.生活を不定形で連続なものとしてそのままにとらえる
4.既存建物もそういう地形とか敷地のかたちと同じである

1.そこで行われることで中身がつくられていく建築

 タイトルにある「原っぱ」とは「そこで行われることで中身がつくられていく建築」、「遊園地」とは「あらかじめそこで行われることがわかっている建築」を例えている。著者は「遊園地」よりも「原っぱ」に注目しつつ「求められる空間の質は機能に先行する」と主張し、「行為が起きることではじめて出現する場」をつくりだすことを目指している。

 空間は、作家がそこで行うことを先回りしてはならない。にもかかわらず、確かな実在を感じさせなくてはならない。そのためには、他の用途に使われていた空間を改装するか、ある形式的論理によってつくられなければならない。(抜粋)

2.別々のことをしている人たちが時間と空間を共有する

 「すべての建築は道から進化した」との仮説の可能性に魅力を感じ、「人びとが動き回るなかでかたちづくられていく」建築を「動線体」と名づける。それはすなわち、「つなげられるもの」ではなく「つないでいるもの」であり、さらに「〜であるものと〜であるものの結合」ではなく「〜であると同時に〜である」という、いくつもの相をあわせもつ流体の特徴に注目する。そして、「動線体」を構成しているのは、「目的」なき動きを保証する空間であると主張する。

3.生活を不定形で連続なものとしてそのままにとらえる

 人間の生活を機能的に「分割されたもの」ではなく、移行する「運動体」として捉えようとする。そして「あらかじめ意図を持って行動する人間」よりも「目的なくまずは動きまわる人間」という人間像にリアリティを感じると主張する。

 生活はあらかじめ意図を持って行われる不連続な行動の集合ではないだろう。むしろそういう行動と行動の間にあって、目的なくただ動き回っている状態の方が本質的なのではないか。(抜粋)

 さらに具体的に住宅をつくることに言及し、丸山洋志氏を参照しつつ話題は「形式と自由」に及ぶ。著者は形式に操られることを拒否しながらも、形式の外に出ることはできないことはやむを得ないとする。そして、形式という根本的制約の中からしか出発し得ないことを認めた上で、何ができるかを考えることの重要性を説く。そのように、形式の中にありながらそれを内側から捻じ曲げることの意義を問い、それを「自由」と考える。さらには、そうしたつくり方を著者は「リノベーション」と呼んでいる。

 それ(なにかをつくること)は、ぼくとは基本的には切れている別個の形式の中にあるものを、その形式の中に入って行って運用し、その形式をその外側に触れるまで、内側から歪めてみることなのだと思っている。(中略)それがたぶん、自由という言葉の意味である。形式の外にいられるように錯覚することが自由なのではない。形式の中にしかいることができないにもかかわらず、その外があるとして物事を行うこと。それが自由という言葉の本来の意味だと思う。(抜粋)

4.既存建物もそういう地形とか敷地のかたちと同じである

 最後に、ウィルスを例に挙げつつ、独自の設計論を展開する。具体的に谷口吉生氏の「MoMA」拡張計画に言及しつつ、「つくる」から「変える」への移行を指摘する。そして、「建築をつくる」ではなく「建築に(変形)する」ことが設計者としての仕事であると締め括る。

 目の前には、どんな場所にも豊かな物質的世界がある。それを並べ替え、組み替え、変形する。それで十分に私たちのまわりの物質的環境は変わる。それを「建築」と呼ぶ。(抜粋)

 目まぐるしく移り変わる昨今の社会情勢を考えると、「計画すること」の意義は一体どれほどのものだろうか?施主或は建物使用者と打ち合わせを重ね、万全を期して計画を立てたつもりでも、いざ使い始めてみるとなかなか思うと通りにいかないのはすでに皆が実感しているところ。ましてや、将来の使い勝手や技術の進歩を想定した計画が予定通りに進まないことは、メタボリズムを提唱する大阪ソニータワーの事例を見ても明らか。(すでに新しい建物に取って代わられている)

 そう考えると、これからの設計者は「計画しないこと」が重要になってくるのではないだろうか?「計画すること」が仕事の設計者が「計画しないこと」を追及しなければならないという矛盾?相反するものを同時に満足させるという難題に答えるにはどうすれば良いのか?そのヒントを本書は与えてくれるように思う。
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