よくある官僚本であるが、やや異質の感じがして、おもしろかった。違うのは、医系技官という技官でかつ女性が筆者であること、サブタイトルにあるよう天然痘テロ対策の警鐘を発したいというメッセージが強い点である。
レビューを見ると評価が大きく分かれているが、職場でも筆者の評価は大きく分かれているのだろう。それがどこから来るかだが、推測するに
組織という共同体の秩序・福祉重視の人vs個人主義の発想の人
全体のバランス・プライオリティを考える人vs一度正義と思うと一直線の人
公務員試験を経て公務員になった人vsそうでない公務員
これらのギャップが大きいのだろう。
それにしても、「検疫所は張りぼての虎なんだ。けれど、張りぼての虎だということは世間には言ってはいけないんだ!」という検疫所長の発言は、新型インフルエンザの対応であたふたしている現在進行形の出来事(2009年GW)を見る限り、とてもリアルだ。予算当局、マスコミ、国会も、何が大事なのかよく考えてもらいたい。