望月竜之進を主人公とした5話を収める短編集。
2008年に出版されたものだが、初期の作品を改作したりして1冊にまとめたらしい。
『黒牛と妖怪』(1995年)に入っている「甚五郎のガマ」、『小説non』1998年2月号収録の「正雪の虎」がそれである。
あとの3篇は書き下ろし。
猿、虎、ガマ、トカゲ、狐と各話とも動物がモチーフとなっている。
「二天一流の猿」には、宮本武蔵の剣術を見よう見まねで覚えてしまったという猿が登場する。とんでもない発想だが、それだけではなく物語としても秀逸。
「正雪の虎」は虎と望月竜之進の戦い。これもすごい。
感心させられたのは「甚五郎のガマ」。とぼけた話だが、迫力がある。
風野作品のなかでもアイデアに富んだ一冊と思う。おすすめだ。