この本は、新潮文庫の目録をペラペラと見ていて目にとまったタイトルです。
「卵の緒?卵の殻とヘソの緒の中間くらい?」と思いながら、あらすじを見ると、
僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を
見せて、僕を卵で生んだなんて言う。
なんて、書いてあります。
自分を捨て子なんて言いながらも、全然悲壮感を感じられなかったのは、続く文に、
それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれている。
と、続いているから。
そして、この本を読むと、本当に母さんは、<僕>に愛していることをことばと行動の両方で、伝えています。
だから、ユーモアがあって、底抜けに明るく、おおらかなお母さんと、そのお母さんが「出会った中で一番優しい男の子」だと言っている、
僕・育生くんの日常生活をうらやましいと感じるくらい、すっかりこの本のトリコになってしまいました。
また、「人生の楽しみの半分は食にあるんだから」と、言い切るお母さんのことばとおり、食卓に並ぶ料理の美味しそうなこと!
ふわふわのオムレツから始まって、一番好きな人に食べさせたくなるくらいおいしいハンバーグに、にんじんブレッド・・・・・。
読み終わった後には、好きな人と一緒においしいものを食べることができる幸せを、あらためて心から感謝する気持ちがわいてきます。
ポンポンポンと、とてもテンポの良い話の運びに一気に読み終えて、ちょっぴり切ないけど、心がとても温かくて幸せいっぱいになりました。