原作は、86年に出されたものです。「脱伝統化」し、科学と政治の新たなあり方が迫られている、今日の産業社会を洞察した作品として、大きな価値をもち続けていると思います。
階級・階層の形成について、カール・マルクスとマックス・ウェーバーの見解をとりあげ、実社会において「社会的不平等」がどのような変貌をとげているのか、論証しています。460ページで、読みごたえがあります。
権力を選ぶ意味での政治よりも、大衆が検証・学習し新しい生活スタイルを発展させる「サブ政治」の役割が中心になっていること、男女平等に伴う孤独が深まっていくこと、科学の性質が真理と啓蒙から離れ自己内省をしていくことなど、20年過ぎた現在を、よく見通していることに感銘しました。