「本当に不思議なのは、日本は過去にやった間違いを繰り返しているということです」。
この本は、クルーグマンにインビューを4回行って、その結果を一冊の本としてまとめたものである。小さいサイズに、大きめの活字で、行間の隙間は広く、さらに解説部分をいれても164ページである。
内容としては、「世界大不況からの脱出」や「格差はつくられた」に書かれている主張の主要骨子部分に、オバマ政権の経済性政策についてといった最新のコメントを少し加えたような感じになっている。日本についての提言も、まとめ方が違うだけで、インフレターゲット論など含めて既に過去にクルーグマンが述べているものが中心であって、特に目新しい内容が盛り込まれているわけではない。したがって、過去の著作を一通り読んでいる方であれば、必読というほどの本ではないように思われる。
ただし、元々分かりやすいクルーグマンの主張が、さらに分かりやすく凝縮されているので、今の経済危機におけるクルーグマンの見解を短時間でざっと通して確認したい方には向いていると思われる。