2002年に国会に提出されマスコミがこぞって「マスコミ規制だ!」と大反対したあの「人権擁護法案」の問題点を、国会議員、地方議員、ジャーナリスト、学者、一般市民がそれぞれの立場から分かりやすく論じた本。
人権擁護法案の問題点はマスコミ規制だと思われるがさにあらず。法案は一応「人権侵害から人権を守る法案」を主旨としているが、肝心の人権侵害の定義があいまいなため、自分が気に入らないことは「人権侵害だ!」と言いがかりをつけられる。「人権侵害された!」と訴えられれば人権擁護委員会から出頭命令や令状無しの家宅捜査を受け、拒んだら罰金30万円。委員会からの勧告に従わなければ氏名を公表され社会的制裁を受ける。しかもこの法案を進めているのは、人権擁護を主張するのにとてもふさわしいとは思えない人や団体。 詳しいことは本書を読んで頂きたい。文章を読むのが面倒な人は本書の業田良家氏の漫画だけでもよい。恐怖で震え上がること間違いなしだ。
人権擁護法案は2005年に国会提出が断念されたが、現在でも人権擁護法案の国会提出を目論む懲りない勢力が存在するし、地方でも鳥取県人権条例(成立後凍結)、千葉県障害者差別禁止条例(成立せず)のように、ミニ人権擁護法案が作られようとしている。少しでも多くの人にこの本を読んで人権擁護法案の恐ろしさとこの手の法案が作られようとしている日本社会の危うさを知っていただきたい。