★5の特上。
成コミ方面では『奴隷ジャッキー』とPNを使い分ける著者初のオリジナル一般作は表題作『危さん』の第1部全9話な通算13冊目。
ヒロインの『危(あぶ)』は、無表情な仮面に鎧われたナイチチ三つ編み白髪の、行動様式がとっても危ないお姫様。
ちょんまげショートの巨乳柔道娘『俵』ちゃん。
キラキラ小動物系男子生徒『巧』くん。
2m超のメイドな『めい子』。
小学校から飛び級してきた、萌え符号で武装する『ろる子姫』。
と、脇役陣も超強力。
荒唐無稽と紙一重のところで絶妙にとどめた大バカな萌えの暴走がミゴトのひと言。
一糸まとわぬ立ち姿は、冬の陽射しに照らされて卑猥さなど微塵も感じさせぬほどにただ美しい、という図式をつくった途端に大バカに切り落とす凶悪なオチが、素晴らしすぎる作家性。
予め無謀な勝負に挑む俵のテレもキュン×2。
危さんのスカートの中の闇は、はたして喰らい尽くせるのか。
草木の息吹く様を愛でる心から生まれた『萌え』を著者が長年培ってきたエロ漫画伝統工芸的理論で解体しシュレーディンガーの猫よろしく確率期待論的ドキドキを魅せびらかし萌えに昇華(燃えに消化)する件も絶妙すぎ。
文化祭は鶴の一声でエロ漫画祭に様変わりし、天然娘の純情力にはさしもの黒き妄想さえ恥ずかしさの余り逃げ出した。
自慢のツインロールを菓子パン製造機にされるろる子の寝姿に思わず胸キュン。
文化によってもたらされた『楽』というぬるま湯にどっぷりと浸かり心地よさの余りカマクラから一歩も出ようとしない『堕落』という名の一億総ひきこもり化へのアンチテーゼとしてのスッポンポン。
娘は母を母と認め、そして…。
抱腹絶倒にして鼓腹撃壌。
大バカに暴走する萌えにトキメキたい貴殿へ。あるいは、既成概念をぶち壊す、ヒネクレハートな作家の愛を肌で感じたい、あなたへ。