本書の主な内容は、小学校での英語必修化反対論と英会話重視教育反対論の2つ。どちらも、現場の実情報告というミクロな視点と、統計などのマクロな視点をきっちり組み合わせ、高い説得力を持つ明快、秀逸な反対論となっている。
中教審の議論から、国が小学校英語必修化へ舵が切りつつある現状を説明。「外国語を始めるのは若い程いい」という信仰を帰国子女の統計から否定する。また、英語を習う小学生の3割が劣等感を持つこと、小学校で英語を学んだ子が中学校であっさり初学の子に英語の成績を抜かれるなど小学校英語が逆にマイナスになっているという。また、一定の質を持つ英語教諭をどう確保するかなど制度面の困難も問う。
会話教育の問題については、外国人講師の能力、モラルの低さを問うほか、文法能力の低下、文法中心教育で「おとなの英語」を話すことの重要性などを訴える。
概念的な反対論ではなく、体験や統計など一つ一つの事例に説得力があり、うなずかされた。