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印象派はこうして世界を征服した
 
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印象派はこうして世界を征服した [単行本]

フィリップ フック , Philip Hook , 中山 ゆかり
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,310 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

なぜモネやルノワールは世界中で好まれるのか。なぜ富裕層は印象派絵画を所有するのか。競売人が明かす美術史の舞台裏。

出版社からのコメント

【競売人(オークショニア)が明かす美術史の舞台裏】
 世界中で最も人気のある美術、それが印象派であることはまちがいない。展覧会には行列ができ、美術館は競うように作品を収蔵し、印象派絵画を個人所有している人は<お金持ち>とみなされる。十九世紀の誕生時には人々の嘲笑を浴びたというのに、わずか百数十年の間になぜこれほどダイナミックな変化が生じたのか。その問いに答えるのが本書である。
 主役は、コレクター、批評家、画商、オークション会社の競売人たち。前半は、仏・米・独・英など、国によって異なる印象派受容に焦点があてられ、当時の社会的・政治的状況、他国とのかけひき、国民性の違いを目の当たりにできる。後半では、戦後、印象派絵画高騰の牽引力となった二大オークション会社(サザビーズとクリスティーズ)の奮闘ぶりが赤裸々に明かされる。競売人として富裕なコレクターと身近に接し、その心理をつぶさに観察してきた著者の語り口は、率直であると同時に英国人らしい皮肉なユーモアに満ちて、痛快である。
 絵の値段というわかりやすいバロメーターも含めた<受容の変遷>にふれることで、印象派ファンもアンチ印象派も楽しめる一冊。図版76点掲載。

登録情報

  • 単行本: 278ページ
  • 出版社: 白水社 (2009/07)
  • ISBN-10: 4560080011
  • ISBN-13: 978-4560080016
  • 発売日: 2009/07
  • 商品の寸法: 19 x 13.8 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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最も参考になったカスタマーレビュー
15 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ocp
形式:単行本
この本の主役---表面上の---はお金である...と言ってしまうと言い過ぎなのだが、著者は「実際のところ、本書は、絵画を売ることについて書いた本だ」と言っている。しかし、絵を投資の対象として扱う立場から書かれた本というわけではない。何かそれよりも深いもの、について語られている。

世間の多くの人は、有名な美術品が高額で取引されるのを知ってはいても、「美術」というものを世間的な俗っぽさから切り離して「ちょっと高貴なもの」と感じているのではないだろうか。そして、美術を愛する人の中には、その価値を金銭的な面から眺めることを好まない人も多かろう。一方で、美術にはさして興味はないがお金については大いに興味がある、という人も当然多い。
本書は、それらさまざまな人々の意識の裏にある見えない重心のようなポイントを扱っている本だ。

印象派は登場した当初、現在の現代美術が一部の(多くの)人に「わけがわからない」と言われる以上の違和感、それどころか強い敵意を持って迎えられたのに、現在は富とセンスの象徴となっている。その過程、つまり「世界征服」の過程が美術、美術品市場、歴史、文化、そして人間を学び、知り、観察する著者によって描かれている。個別の作品や印象派絵画の特徴に関する記述は必要最小限で、あくまでも美術品を取り巻く社会、世界、人間がテーマだ。美術品ビジネスに携わり、さらに小説も書いている著者の実力か、あくまでも「お勉強」ではなく「楽しみ」で読める。

美術という枠が最初に設定されると読者層が絞られてしまうと思うのだが、それは惜しい。歴史の偶然や国による文化、気質の違いが語られ、行動経済学的な人間心理がかいま見え、画商やオークション会社の人々の姿が描かれ、怪しげな人々の存在が示され、終わり近くには日本のバブルも登場する。広告業界のような視点からは、きわめて長期間維持されて大成功したイメージ戦略とも言えるのだろうか、などとも思った。

自分は美術に関する知識は少ないが楽しんで読めたし、当然ながら楽しみ以外に得られた知識も大きい。美術になじみのある人ならば、さらに深い手応えを感じるだろう。
冒頭のシーンで「美術品の価値を決めているものはなにか?」という疑問(ありふれた疑問ではあるけれど)を持つ読者は多いと思うが、それに対する答はかなりこの本に書かれている。が、最初の疑問よりも大きくて深い、漠然とした問いが読後に残り、もう1冊、美術品の「価値」について掘り下げた本が読みたくなった。

星は、「印象派」というキーワードに反応する人々以外にも広く読んでほしいという応援の意味で1つオマケしている。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 藤崎健一 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
 分かりやすいタイトルです。確かに印象派は世界を席捲しています(特に日本では)。
では、その印象派は発生当時から現在のように隆盛を極めていたのか?

 答えは−御存知の方も多いでしょうが−「否」です。

 発祥の地フランスでは叩かれまくっています。ひどい所では「妊婦が印象派の絵を見ると
流産してしまう」といった、現代人からすると荒唐無稽な話もあったのです。では、それを
評価し、今のように多大な金銭が動く状態を作ったのは何処の誰なのか?

 それは・・・欧州から見れば異端の人であるアメリカだったのです。そう、異端の絵
(印象派はパリ=フランスの主流では無かった)を異端の人(アメリカも欧州とは別の世界)が
評価し、買い始めたことから、今の流れへ続く道が出来たのです。

 他のエピソードを簡単にまとめてみると・・・

・絵は人を高みに導く(教養を身につけさせる)と一部は信じられていた。
・画廊はどうやって絵を高く売る仕組みを開発したのか?
 (名画だから売れる、という訳では無いのです)
・印象派を積極的に受け入れたドイツ。
 (退廃芸術としたナチスも絵の市場価値は認めていた。また、ゲッペルスのように集める人もいた)
・逆に受け付けなかったイギリス。
・イギリスでも受け入れたのは異端の人だった。
 (彼らは前衛が人を進化させると信じていた)
・印象派が世界を統一=占領したのは第二次世界大戦後。
・そしてついに印象派は大富豪のシンボルとなった。
・悲しいかな、日本に於ける印象派(というより美術全般に繋がるのか)の扱いにも記載有。
・画廊&オークション業界(サザビーズとクリスティーズ)の裏話。
・カーク・ダグラスに怒ったジョン・ウェイン・・・
 (ダグラスは映画でゴッホ役を演じた)

 ・・・といったことが詰まった274pです。白黒ですが印象派の名画も多数収録されています。
また、この本は当時の文化的状況もうかがえる一冊です。そういう意味では文化史に興味がある方
にもお勧め出来ます。
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ゆきむら ふじみ トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
印象が登場した時、アカデミーで拒絶されたというのは、有名なので、多くの人が知っているだろう。たしか、中学校だったか高校の美術の時間に習った。しかし、どのように受け入れられたかは習っていない。本書では、フランスで認知される過程(画廊のオーナーや画家の奮闘)、アメリでは当初から受け入れられたこと。何故、アメリカの美術館が沢山所有しているかが分かる。ドイツやロシアの隠れ印象派ファンの存在や戦争に略奪。歴史的にフランスに反感を持つイギリスでの困難さなど、有名な人、無名な人の様子が描かれている。そして、印象派の絵が、高価になって行く。
日本についての記述は,他に比べると貧弱であるが、バブル期の醜さや成金日本人コレクターの呆れた振る舞いも紹介してくれる。
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